2024年8月27日、Liberaware(リベラウェア)は、デックとKDDIスマートドローンに小型ドローン「IBIS」による点検サービスを導入したことを発表した。従来の点検方法と比較してより安全を確保することができ、点検稼働時間の1/3を短縮した。

3人の集合写真
左:Liberawareスマート保安事業部 伊藤弘毅 部長、中央:KDDIスマートドローン 山崎靖博 氏、右:デック 井上歩 課長代理

 道路などの地下に埋設されている老朽化した水道管の更新では、さまざまな工法が採用されている。デックが神奈川県内の更新工事で実施したPIP(パイプ・イン・パイプ)工法は、既設管の中に内径に近い新しい鋼管を挿入し、それを溶接して塗装で仕上げ、老朽管の中に新設管を挿入する。新設管を地下に降ろす部分のみ道路を開削するため、長期間道路を規制する必要がないというメリットがある。

 同社はこの工法で敷設した新設管の溶接や塗装の仕上げを確認するため、従来は人が直径約80cmの管の中に入り溶接部分の写真を撮影していた。

 IBIS2を活用した点検では、目標通り管内の施工状態を全線連続して記録。人が点検するには困難な箇所も、適正な施工の確認を実施できた。

写真:更新工事現場で操縦機を手にする作業員とIBIS2

 また、道路の下の水道管を工事するには道路規制が必要になるため、交通の影響の少ない夜間に作業を行うだけでなく、作業時間を短くする必要がある。品質確認の作業で人が管の中に入って撮影と記録を行う場合はおよそ3日かかるところ、IBIS2は2日で記録を終え、工期を短縮することができた。

 従来は主に溶接部のみを写真で記録していたが、IBIS2は連続した動画で全線を撮影するため、工場で塗装したその他の部分すべての損傷有無の確認と記録が可能。同時に全線を映像データで記録しているため、新設管の経年変化を比較することもできる。