セコムは、2024年7月25日、AIで人の特定の行為を検出する「セコムAI行動検知システム」とセキュリティロボット「cocobo」を連携し、常駐警備のオペレーションに活用する実証実験を行い、有効に機能することを確認した。
労働力人口が減少する中、警備業界でも人手不足は課題となっており、ロボットやAIなどを活用した効率化が求められている。なかでも常駐警備は、契約先施設で出入管理や巡回などを提供する人的資源が必要である。また、常駐警備の駆け付け業務は、緊急性が高く迅速に現地で対応する必要があるものから、同じ場所に長時間滞留している人への声掛けのように比較的緊急性が低いものまでさまざまだ。
実証実験は、契約施設内で同じ場所に長時間とどまる人への対応といった、緊急性は低いものの状況確認が必要な場合を想定して実施。セコムAI行動検知システムとcocoboを連携させることで、行動の検知から声掛けまで一連の対応を、常駐隊員が現地に向かうことなく監視卓から完了できることを検証し、有効に機能することを確認した。
今後、実際の警備現場での導入に向けた検討を進め、高品質で効率的な警備の提供に向けて取り組むとしている。
実証実験の概要
2024年7月25日にセコム本社1階で実証実験を実施。セコムAI行動検知システムで検出した“座り込んでいる滞留者”といった、緊急性が低いものの確認が必要な状況に対して、常駐隊員が監視卓からの映像確認とセキュリティロボットcocoboを通じた声掛けで対応が完了できることを確認した。
【実施内容】
1. 監視カメラの映像から、「セコムAI行動検知サーバー」が座り込んでいる滞留者を検出。
2. セコムAI行動検知サーバーが、滞留者の検出を常駐隊員がモニタリングしている監視卓に通知するのと同時に、cocoboに現地確認を要請する信号を送信。
3. cocoboが滞留者を検出した監視カメラの位置へ移動を開始。現地到着後、監視卓に通知。
4. 常駐隊員が監視卓からの映像で状況を確認のうえ、cocoboを通じて滞留者に声掛け。
cocoboは、AIや5Gなどを活用し、常駐隊員の代わりに巡回警備や点検業務を行うセキュリティロボット。巡回ルートを自律走行し、搭載したカメラで撮影した映像をリアルタイムでAI解析し、残留者や転倒者、放置物の検知を行う。不審者を発見した場合には、音声やライトでの警告、煙を使った威嚇を行うことも可能。建物内の監視カメラ映像やエレベーター等の設備情報など、クラウド上のさまざまな情報を共有・連携し、より高度な警備業務を提供する。
セコムAI行動検知システムは、セコムAI行動検知サーバーに複数台のカメラ映像を配信し、AIで「喧嘩」や「転倒」といった人の特定の動きを検出して顧客の監視卓等に通知する。複数台の監視カメラを常時確認するモニタリング業務の負担軽減と品質向上を実現する。