2024年7月12日、SEQSENSEは、自律移動型警備ロボット「SQ-2mk2」を活用し、北海道札幌市の複合商業施設「COCONO SUSUKINO(以下、ココノ ススキノ)」において付加価値向上・犯罪対策効果の検証を実施した。

写真:ショッピングフロアの通路脇で警備するSQ-2mk2
ココノ ススキノで立哨中のSQ-2mk2

 同実証は、2024年5月31日~6月17日に、ココノ ススキノの地下1階から4階で実施。操作端末に入力した文章をロボットが発話する音声アナウンス機能を活用することで、警備業務に加え、万引き対策やイベントの周知・誘導など施設の付加価値を向上させることができるかを検証した。ロボットは人の目を引くため、情報発信や注意喚起、万引きへの抑止力としての効果を期待して実施した。

検証内容と結果

1. 館内情報発信による施設の付加価値向上

 音声アナウンス機能を用いることで、イベント周知や会場誘導をロボットができるかを検証した。イベント情報をロボットから流したところ、アナウンスを聞いてイベント会場に足を運んだ人もおり、情報発信の効果を認めることができた。

2. テナントスタッフ支援・万引き等の犯罪対策

 テナント前にロボットを立哨させ、万引きを警戒するアナウンスをロボットから流し犯罪対策に効果があるかどうかを検証した。テナントスタッフからは、安心感が増した、万引き警戒以外の業務に集中できたなど、肯定的な声を多く受けた。

3. 早朝・深夜の出入り口の監視

 ホテルや映画館を併設し、駅直結の複合商業施設であるココノ ススキノは、ショッピングフロアが営業していない早朝や深夜にもホテル・駅利用者が施設共通の出入り口を利用している。早朝・深夜帯にこの出入り口でロボットが立哨監視を行えるかどうかを検証した結果、監視業務を遠隔で実施できることを確認した。

4. 複数フロアでの運用

 警備員がサポートしてロボットをエレベータに載せることで、複数フロアの運用を検証した。地下1階から4階までのショッピングフロアごとに「館内情報発信」「万引き等の犯罪対策」「早朝・深夜の出入り口監視」などさまざまな役割で活用できた。
 エレベータとの連動が実現した場合は、各曜日・時間帯スケジュールごとにロボットがフロア移動し、効率的に業務を行えることになる。

警備ロボット「SQ-2シリーズ」

 SEQSENSEは、自律移動型警備ロボット「SQ-2」と、ユーザーがロボットを運用するためのクラウドシステムがセットになった警備ロボットシステム「SQ-Guard」をサービスとして提供している。

 SQ-2は、SQ LiDAR(三次元の距離情報を計測するセンサー)を搭載。広い検知範囲により、建物内部の3Dマッピング、障害物や歩行者などの発見、環境変化の検出などが可能だ。センシングの結果を自己位置の推定および経路計画にリアルタイムに反映することで、障害物や歩行者を回避しながら、安定して移動することができる。

 専用のクラウドシステムにより、遠隔からのロボットの操作(巡回・立哨・動哨)、マイクを用いた通話、入力した文章をロボットに発話させる音声アナウンスなどのロボット運用機能を提供している。これにより、巡回や立哨、周囲の人への注意喚起や問い合わせ対応など、警備員が現場で実施する業務の一部を遠隔(防災センターなど)からロボットに実行させることができる。

写真:警備ロボットの外観