2024年7月23日、日本電気(以下、NEC)、KDDIスマートドローン、Intent Exchange、宇宙サービスイノベーションラボ(以下、SSIL)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が行う「デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発事業(ドローン航路)」に、実施予定先(計2者)のうち1者として採択されたことを発表した。

画像:秩父・浜松エリアでのユースケースを表したイラスト。送電網の点検(秩父):山間部の送電線を点検するドローン、河川上空の航路のマルチユース(浜松):河川を点検するドローン、空輸するドローン。

 経済産業省では、人手不足や災害激甚化といった社会課題解決や、産業発展のデジタルによる恩恵を全国に行き渡らせるため、約10カ年の「デジタルライフライン全国総合整備計画」を策定、この中でドローン航路については2024年度に180km、10年間で総延長5万kmの整備を目指している。

 同実証では、もう一方の採択者と重複排除・役割分担の上で、各社の技術を活用しながらドローン航路の仕様や運用方法の策定、システム開発などを行う。また、実際のドローンを用いた運航テストを静岡県浜松市と埼玉県秩父エリアで行い、ドローン産業の協調領域としてのドローン航路の実装・発展に寄与する。

 実施期間は、2024年5月~2025年3月末(予定)。地上および上空リスク等の制約要因に基づいて立体的に航路を画定し、ドローンの安全かつ簡便な運航に必要な安全管理の支援等を統合的に行うドローン航路システム等の開発、ドローン関連データを流通するためのシステム等の構築、ドローン航路内の安全・効率的な運航のためのドローン航路に係る管理手法やルール等についての調査・研究、そして先行実装地域(秩父エリア、浜松市)において送電網の管理、河川上空のマルチユース実証を行い、ドローン航路の有効性の確認を行う。

【各社役割】

NEC・プロジェクトの全体とりまとめ
・ドローン航路における物流や送電網点検などのマルチユースでの実証
・ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス設計
・空域デジタルツイン構築
KDDIスマートドローン・ドローン航路ビジネスアーキテクト(もう一方の採択者のビジネスアーキテクトと連携)
・ドローン航路システムの開発
・ドローン航路における物流や送電網点検などのマルチユースでの実証
Intent Exchange・ドローン航路システムアーキテクト(もう一方の採択者のシステムアーキテクトと連携)
・ドローン航路システム(航路画定、安全管理支援)の開発
・ドローン航路網の面的展開を見据えたトポロジー設計法の調査研究
・モビリティ・ハブの調査研究
・秩父エリアにおける実証
SSIL・空域デジタルツイン環境の構築と試行
・ドローンの飛行ログや航路ヒヤリハット情報の蓄積および共有システムの開発
・4次元空間情報基盤の利活用支援