2024年5月17日、輝翠TECHは、環境エネルギー投資を引受先とする1.5億円のシリーズA調達を実施したことを発表した。

 輝翠TECHは、2021年9月に設立されたオフロード自律走行AIロボットのスタートアップ。今回の資金調達により、オフロード自律走行AIロボット「Adam」を量産し、全国の農家への展開を目指す。また、同機の機能を追加するとともに、建設など農業用途外への適応も進める。さらに、農場で多様な仕事をこなすため、Adamの作業ユニットの開発と普及を推進する。加えて、UIUX、事業開発/国内営業などのスタッフを募集する。

オフロード自律走行AIロボット「Adam」と輝翠TECHメンバー
オフロード自律走行AIロボット「Adam」
Adamが果樹園を自動走行する様子

 現在農業は、労働力不足や高齢化、気候変動が与える影響、技術革新への消極的な姿勢による機械導入の遅れなどが課題となっている。

 近年、農業技術分野ではロボット収穫システムや精密農業技術などが開発されており、効率性や生産性の向上、持続可能な農業の実現に貢献している。輝翠TECHが開発するAdamは、オフロード環境での作業を支援し農業従事者に新たな可能性を提供するとしている。

各社コメント

シリーズA リード投資家
環境エネルギー投資 プリンシパル モビリティ事業創造室 室長 林隆介氏

 環境エネルギー投資は、輝翠のシリーズAラウンドに参加することを誇りに思います。輝翠のAdamは、革新的な電動オフロードモビリティローバーであり、様々な産業における電動化への重要な推進力になると確信しております。この投資は、2006年から開始したクリーンテックイノベーションを支援するという私たちのコミットメントと完全に一致しています。Adamには、世界中で生活の質を向上させ、より清潔な地球に貢献する潜在能力があると信じています。そして、私たちのグローバルネットワークを活用し、輝翠の国際展開を支援するのを楽しみにしています。

輝翠TECH 創業者・代表取締役 Tamir Blum(ブルーム タミル)氏

 私たちは、EEIという素晴らしい投資家を見つけることができ、大変嬉しく思います。EEIは重要な環境問題の解決に焦点を当てており、中でも林さんはモビリティおよび自動車産業での長年の経験を持っています。

 私たちはEVのオフロードモビリティプラットフォームを構築しており、EEIは私たちの成長を加速させるてくれると考えています。この資金調達を終えることで、まずは日本で製品を発売し、その後新しい市場に適応させるためのリソースを得ることができます。農業はどこでも生活の中核ですが、世界中の農家は苦境に立たされています。Adamはそんな農家さんを支援することができ、来年までに我々の潜在能力を示すために最善を尽くします。農業や建設などの主要産業を支援することで、経済活性化を通じて都市と地方の間の不平等を減少させながら、大きなグローバル市場に対処することができます。多くの障害を避けなければならないオフロードによる移動は簡単ではありませんが、私たちは世界的な専門家チームを集め、革新的な技術を提供する準備ができています。