2024年5月15日、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、米国Skydioの最新ドローン「Skydio X10」の性能検証を2024年4月に実施したことを発表した。セルラードローン(※1)化を予定しているSkydio X10の実利用を想定し、河川巡視・鉄塔点検・夜間飛行の検証を行った。

 またNTT Comは、Skydio協力のもと、インフラ領域でのSkydio X10のユースケース創出を行う「『Skydio X10』ユースケース創出プログラム」を同日開始した。

※1 モバイルネットワークを利用して飛行や映像伝送などを行うドローン(NTTドコモの登録商標)。

 ドコモグループとSkydioは資本・事業面で連携しており、NTT ComはSkydioの一次代理店・Strategic Partner(戦略的パートナー)として、2020年11月から日本でSkydio製ドローンを提供している。SkydioはNTT Comの「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」に加入し、2022年11月にはSkydio X2による上空LTEを用いた実証実験を行うなど、LTEを活用した実証に取り組んできた。Skydio X2はSIMを利用するための標準モジュールを搭載していないため、外付けドングルを取り付けて実証のみを実施したが、上空LTE対応の最新モデルSkydio X10を活用することで屋外における目視外飛行が可能となり、同機の特徴のひとつである長距離飛行が実施できる。

上空LTEを用いて飛行する「Skydio X2」
ドコモビジネスとSkydioの取り組み

検証内容

1. 河川の巡視

 Skydio X10の最大飛行時間は40分あり、河川などの巡視業務での活用が期待される。検証では、撮影映像を遠隔地に伝送しながら河川敷を1km以上飛行できることを確認した。

河川巡視を遠隔で確認

2. 鉄塔点検

 Skydio X10は、最大128倍のデジタルズームを有しており、詳細な点検業務での活用が期待される。検証では、通信鉄塔の周囲を飛行し、ズーム機能を活用して撮影を行うことでボルトなどの詳細部分を確認することができた。

鉄塔の撮影

3. 夜間飛行

 Skydio X10は暗所での自律飛行が可能なため、従来飛行が困難だったトンネルや夜間の点検業務での活用が期待される。検証では、暗所での飛行を確認することで、照度が限られる場所や時間帯であっても障害物を回避し、安全に飛行できることを確認した。

暗所を飛行する「Skydio X10」
「Skydio X10」の紹介動画(NTT Com公式YouTube)