2024年5月13日、KDDIスマートドローンは、SkydioのAI搭載自律飛行ドローン「Skydio X10」の注文受け付けを同日開始すると発表した。あわせて、同機に対応したKDDIスマートドローンの独自サービスとして「Skydio認定講習」「あんしん機体補償」「上空電波パッケージ」の提供を開始する。
Skydio X10は、Skydio製ドローンの特徴である非GPS環境下での安定飛行に加え、カメラ性能が大幅に進化。NightSenseモードにより暗所飛行を実現するとともに、上空モバイル通信に対応し、飛行範囲を拡大する。
メインプロセッサにNVIDIA Jetson Orin SoCを搭載し、従来機と比べて10倍以上のコンピューティング処理性能を実現した。AI飛行支援と障害物回避により安全な飛行を提供する。
サーマルカメラを標準搭載し、IP55で防塵防水を強化。非GPS環境下での点検業務からインフラ設備の巡視業務まで、幅広い分野での活用が見込まれる。
「Skydio X10」の特徴
1. カメラ性能
利用用途に合わせ、2種類のジンバルカメラ「VT300-Z」「VT300-L」より選択が可能。どちらも、SONY製の狭角カメラ(解像度6400万画素、視野角50°)と、FLIR製サーマルカメラ(解像度640×512、視野角40°)を標準搭載している。VT300-Zは、望遠カメラ(解像度4800万画素、視野角13°)を備え、構造物のズーム撮影用途に適している。VT300-Lは、ワイドカメラ(解像度5000万画素、視野角93°)と最大2800lmのフラッシュライトを搭載し、構造物の近接撮影用途に適している。
【VT300-Z、VT300-L】
【VT300-Z】
【VT300-L】
2.「NightSense」による暗所・夜間の自律飛行
サーマルカメラを標準搭載しており、GPS環境下であれば暗所・夜間でも巡視点検が実施できる。オプション製品のNightSenseを使用すれば、暗所・夜間での障害物回避を含めた自律飛行が可能になる。スポットライトを使用することで鮮明な画像を取得し、トンネルなどの暗所空間の撮影、夜間警備などで活躍する。
「Skydio X10」に対応した独自サービス
1. 上空電波パッケージ
上空モバイル通信と送信機用モバイル通信をセットにしたパッケージを新設し、「従量プラン(0~4万9,800円/月、契約時と1年更新ごとに基本料金15万円)」を新たに提供する。通信を利用しない月は月額料金が0円となる。定額プランは、これまでの「月額タイプ(4万9,800円/月)」に加えて「年額タイプ(48万円/年)」を用意した。
2. Skydio認定講習
Skydio認定「Skydio X10基礎コース」を開設。Skydioより公式技能認定を受けた「MASTER INSTRUCTOR」が2名在籍し、同インストラクターが監修した講習プログラムを提供する。Skydio X10の基本機能・飛行方法・メンテナンス方法等を講習し、各種点検や巡視業務への利活用をサポートする。
【Skydio X10基礎コース】
Skydio X10の飛行に必要となる基礎トレーニングを提供する。
座学 | 機体・サービス仕様、メンテナンス方法 |
技能訓練 | 離着陸、通常飛行・自律飛行、実地トレーニング |
受講日数 | 1日 |
受講条件 | 国家二等資格保有/ドローン民間資格保有/他、業務等でのドローン飛行実績を有すること |
3. あんしん機体補償
機体の故障・破損時に代替機体と交換できる「あんしん機体補償 for Skydio X10」の提供を開始する。
【あんしん機体補償 for Skydio X10】
機体本体の故障・破損時、代替機体と年1回まで交換が可能。
<サービス条件>
機体購入と同時加入が必要/機体紛失時はサービス対象外/補償期間は1年間
このほか、KDDIスマートドローンは、Skydio X10を活用した橋梁点検の技術を検証・確立し、その技術が国土交通省「橋梁・トンネル 点検支援技術性能カタログ 令和6年(2024年)4月」に掲載されている(BR010050-V0124/自律飛行型UAVを用いた橋梁の3D点検技術)。
また、パートナーと共に全国でSkydio X10の飛行デモ会を開催する。