2024年8月9日、ウェザーニューズは、お天気アプリ「ウェザーニュース」で登山者向け気象情報「山の天気Ch.」の提供を開始したことを発表した。

 同サービスでは、全国約1,200座の山岳について、登山口と山頂の詳細な天気予報や登山リスク指数、発雷確率、日の出・日の入り時刻など、登山に必要なきめ細かい気象情報を提供する。

 複雑な地形や高標高域に特化した山岳専用の天気予報を開発し、検証を重ねることで精度を向上。複雑な地形に対応可能な風のシミュレーションモデルを用いて、山頂付近の風を100mメッシュの超高解像度で65時間先まで予測する「山レーダー」を新たに開発した。

 山での遭難事故は、装備の不足や天候によるアクシデントが原因の一つとなっていることから、詳細な気象情報を提供することで、山の遭難事故を減らすことを目指す。

「山の天気Ch.」の告知画像。山の景色を背景に、山の天気Ch.を表示したスマートフォンと「ウェザーニュースに山の天気が登場!」のメッセージ。

 通常の天気予報は地上を対象としており、山頂など標高の高い場所には適さない場合がある。そのため同社は、山岳の複雑な地形や標高に合わせて予測をするため、山岳に特化した天気予報を新たに開発した。

 同サービスでは、ウェザーニューズの山岳気象チーム監修のロジックに基づき、標高に合わせた上空の気象データと、標高補正した地上の気象データの両方を用いて山頂の天気を予報する。また、山岳の複雑な地形に合わせてパラメーターを設定し、予測値の調整を行っている。実際に気象観測データが得られる山や、社員が登った山で何度も検証を行い、予測誤差を低減し、従来の予測より正確な予測を実現した。さらに、複雑な地形に対応可能な風のシミュレーションモデルを用いて、山頂付近の風を100mメッシュの高解像度で65時間先まで予測する山レーダーを新たに開発。登山で最もシビアな気象条件の一つである風の予測を詳細に確認することができる。

 見やすく決断しやすい天気予報を目指し、気象リスクの少ない山や好天の山を選んで安全に登山を楽しめるよう、登山の計画から準備、当日までをサポートする。山ごとの天気ページでは、登山口と山頂の詳細な天気予報を時間ごとに確認できるほか、雷や強風・暴風、強雨・強雪、気温低下など、登山の安全に影響を及ぼす気象条件を総合的に判断した「登山リスク指数」を、「登山には問題ない天気/悪天候となる可能性あり/悪天候となる予想/気象遭難のリスクあり」の4段階で表示し、登山の準備や最適なルート選定をサポートする。また、山特有の霧(ガス)を空気中の水分量から独自のロジックで予報し、アイコンで表示。さらに、マップ上で好天が予想される山を探せる機能や、お気に入りの山をリストで登録できる機能を備え、最大10日先まで登山口と山頂の天気予報を確認できる。

「山の天気Ch.」主な機能

山の天気マップ(登山口/山頂) (有料会員向け機能)
 全国の山岳の登山口と山頂の天気を、マップ上で確認できる。拡大・縮小が可能で、行きたいエリアで好天が予想される山がひと目でわかる。エリアや山の名前で検索が可能。

山ごとの天気ページ(登山口/山頂) (有料会員向け機能)
 登山口は1時間ごと、山頂は3時間ごとの詳細な天気予報と、雷、強風・暴風、強雨・強雪、気温低下など登山における気象リスクを確認可能。10日先までの週間予報は、登山の計画や準備に活用できる。

スマートフォンに表示された山の天気Ch.の山の天気マップ。日本地図にそれぞれの山の天気が表示されている。
スマートフォンに表示された山の天気Ch.の山ごとの天気ページ。富士山の3日間の天気、3時間天気、週間天気が表示されている。
左:山の天気マップ、右:山ごとの天気ページ

山レーダー (有料会員向け機能)
 複雑な山岳地形に特化したウェザーニュース独自の風シミュレーション。100mメッシュの超高解像度で65時間先までの風の予測を詳細に確認できる。

マイ山リスト
 お気に入りの山を登録しておくことで、週間天気をひと目で確認できる。

スマートフォンに表示された山の天気Ch.の山レーダー。風シミュレーションにより、風の強さを色で可視化している。
スマートフォンに表示された山の天気Ch.のマイ山リスト。各山の天気を一覧で表示している。
左:山レーダー、右:マイ山リスト