2024年8月5日、TISは、同社のマルチロボットプラットフォーム「RoboticBase」に、ロボットとセキュリティードア・ゲート連携の接続APIを追加したことを発表した。
RoboticBaseは、サービスロボットをインテグレーションするための統合管理機能を提供するプラットフォーム。運搬や清掃、案内、警備など、種類の違うサービスロボットやセンサー、カメラ、サイネージなどのIoTデバイスを統合管理する基本機能を備えており、施設管理や企業システム、外部データとの連携などを容易にする。
同社は2024年3月にエレベーター連携の接続APIを公開しており、今回セキュリティードア・ゲート連携のためのAPIを無償提供することで、さまざまなサービスロボットが多様なサービスプラットフォームと連携できる環境を実現する。
今後、標準API仕様(群管理)、業務API仕様(配送、清掃、警備、案内)の公開や、APIを使用した設備連携のシミュレーションサービス、TISのラボ環境で各ロボットメーカーのロボットと設備連携(エレベーター、セキュリティードア・ゲートとの接続)を行うことでPoCを低コストで対応できる環境の提供を予定している。
労働力不足などを背景にサービスロボット市場は拡大しつつある。各ロボットと、エレベーターやセキュリティードア・ゲート、電子錠扉等との設備連携や複数ロボット制御等の活用価値向上のため、サービスロボットの統合管理(プラットフォーム)の接続ニーズが高まっている。
一方、サービスロボットは各設備との個別の接続対応が中心で、シーケンス設定が必要であることなどから、ロボットメーカーとサービスプラットフォームの双方にコスト的、技術的な負担がかかっている。また、サービスロボット同士やサービスロボットと設備とのスムーズな連携ができていない点が課題となっていた。
RoboticBaseのAPI公開により、ロボットフレンドリー施設推進機構(以下、RFA)(※1)に準拠しているサービスプラットフォームであれば、ロボットとの相互接続が容易になる。RoboticBaseは各サービスプラットフォームの連携ハブとしても機能するため、各ロボットメーカーは従来個々の接続に必要だった時間とコストを削減することができる。
RoboticBaseとエレべーターやセキュリティードア・ゲート、電子錠等の各設備との連携は、RFAに準拠したインターフェースによってその品質が保証されている。また、RFAに準拠していない設備ともRoboticBaseを介して接続が可能だ。
RoboticBaseのインターフェースを利用することで、ロボットが直接設備と接続する場合と比べて各設備とのインターフェース(シーケンス)を意識する必要がないため、開発運用効率が大幅に向上する。
RFAを含め今後定められる各サービスプラットフォームとの標準インターフェースにも適応を進めることで、汎用性に優れた技術や手法を広く共有し、新たな開発や進歩を促進するとしている。
※1 ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA):あらゆるタイプの施設においてロボットの導入を実現するため、ロボットフレンドリーな環境(ロボットを導入/運用しやすい環境)の構築を支援することを目的に、ロボットのユーザー企業が主導して設立した団体。各テクニカルコミッティ(TC)において規格やガイドラインの発行等を行っている。
【公開API】
・標準API仕様(エレベーター連携)※2024年3月公開
https://www.tis.jp/inq/dxrb_API_EV/
・標準API仕様(セキュリティードア連携)※今回公開
https://www.tis.jp/inq/dxrb_API_security/
【提供価格】
・無料