2024年3月14日、テラ・ラボは、航続距離1000kmを実現する長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL(垂直離着陸機)」の量産化計画を開始したことを発表した。

 同社は、災害時に滑走路を必要とせず迅速に離陸でき、洋上の長時間飛行にも耐えられる設計により、10時間以上、1000km以上の飛行を実現するモデルとして開発を進めてきた。

 量産化計画は製品の均一性を担保し、品質を管理する必要があるため、これまでの実験機をもとに量産化モデルとして設計、構造、部品等をさらに改良のうえ、スペックや技術資料、製造管理資料などの作成に着手し、2025年から量産化を行う予定だ。

飛行を行うテラ・ドルフィンVTOL(VTOLモード)
飛行を行うテラ・ドルフィンVTOL(固定翼モード)

 同社が開発を進めるMPPモデル(多目的プラットフォーム型)の固定翼型無人航空機「テラ・ドルフィン(翼長4m)」は、レシプロエンジンやジェットエンジンなどの推進装置や観測装置を選べるなど多様な用途に対応する。

 固定翼機は長距離飛行という特徴を持つが、発着時には滑走路が必要であるため運用上の課題となっていた。その特性を生かし、滑走路が不要となる垂直離着陸が可能な新型テラ・ドルフィンVTOLの実装化を目指す。

 テラ・ドルフィンは「2019-2021度、地域復興実用化開発等促進事業費補助金(福島県)」を活用し、プロトタイプによる飛行試験を実施。「2023年度 新あいち創造研究開発補助金(愛知県)」を活用して、垂直離着陸が可能な固定翼機として機体のグレードアップを行ってきた。

テラ・ドルフィンVTOL

【機体スペック】

全長2900mm
全幅4300mm
全高975mm
機体重量40kg
巡航速度70~150km/h