アクティオは、竹中工務店、センシンロボティクスとともに、BIM(※1)を用いたドローンの屋内自律飛行システム(※2)の実証試験を実施してきたが、2023年10月24日より新機体を使用した有償の技術検証サービスの提供を開始することを同日発表した。

※1 コンピューター上に作成した3Dモデルに複数の図面を生成し、設計から施工、維持管理までのあらゆる情報を一元化して活用する手法。
※2 実証試験を実施したシステムは、センシンロボティクスのSENSYN CORE。

 2022年2月にリリースした屋内自律飛行システム「BIM×Drone」は、対応機体がACSL社製の1機種のみであり、多くのユーザーにサービスを提供するため、小型で柔軟な飛行が可能な機体の開発が求められていた。また、各ドローンメーカーの開発状況からも、サービスを加速度的に拡大していくためには独自機体の開発が必要であったという。

建設現場における課題

 通常、ドローンは屋外で飛行する際は、GPS信号を受信する。非GPS環境の屋内で安全にドローンを自律飛行させるには、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)といわれる自己位置推定と地図生成技術が必要となる。SLAMは一般的に、カメラを用いて特徴となる点を認識することで飛行用地図を作成し、自己位置を推定しながら飛行を行う。しかし、日々刻々と環境が変化する建設現場においては、目印のタイムリーな設置が困難なことや、飛行ルートが図面で可視化できないことから、操作者が手動操作していた。

BIM×Droneの特徴

 BIM×Droneは、センシンロボティクスの「SENSYN CORE」を使いVisual SLAM(※3)技術を利用した機体の飛行指示に、BIMや3Dモデルから作成したマップをルート設計に活用することができる。BIMデータを変換、3Dマップ表示することで、高さも含めて視覚的にわかりやすいルートの設定が可能となる。ドローンの屋内(非GNSS環境)飛行を、操縦者の技術に関わらず誰でも簡単に業務活用できる。

 建設中物件の進捗管理、工場内の大型装置点検、物流倉庫棚卸し、大型商業施設警備などへ活用することで、これらの業務の自動化、省人化が期待される。

※3 カメラで撮影した映像から自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術。

新機体の概要

サイズ :縦横 30cm×30cm
カメラ :360度カメラやアクションカメラなど求めるデータによって付け替え可能。
飛行方法 :手動飛行、自動飛行の両方に対応。
飛行環境 :屋内、真っ暗な環境でも飛行と撮影が可能。