2023年9月5日、静岡県川根本町とNEXT DELIVERYは、2023年9月2日、3日に災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験を実施したことを発表した。

 この実証実験は、NEXT DELIVERYが、川根本町孤立集落物資輸送実証業務委託に係る公募型プロポーザルとして採択され、実施するものとなる。

出発式の様子。向かって左より、川根本副町長 秋元伸哉 氏、議長 杉山広充 氏、川根本町長 薗田靖邦 氏、NEXT DELIVERY 代表取締役 田路圭輔 氏。
防災祭りでのドローン配送の様子
ドローン配送された川根茶セットを配るキャンプ場管理人

実証実験の概要

 静岡県の中央部に位置する川根本町は南北に細長い形で、約90%を森林が占めている。町の中心地から離れた集落が点在し、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えている。また、有事の際に孤立する可能性のある集落も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送も課題となっている。

 こうした問題を解決するため、住民の理解度向上、定期飛行に向けた課題の洗い出しを目的として実証実験を実施した。

 9月2日のメディア公開では、防災祭りの中で出発式を開き、事業説明や実際のドローン配送のデモフライトを実施した。デモフライトは、防災祭りの開催される役場本庁舎から河川敷(距離約800m、時間約3分)とキャンプ場(距離約550m、時間約2分)へ川根茶セット(重さ約2.1kg)を配送する2フライトを実施した。

 9月3日は防災訓練の中で、有事の際に孤立被害が想定される尾呂久保地区(距離約3.7km、時間約10分)と、壱町河内地区(距離約5.3km、時間約12分)に、非常食セット(重さ約1.7kg)を配送した。使用した機体は、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」。

ドローンで届いた荷物を確認する住民