プロドローンなど、ドローンによる片道26kmの医薬品運搬を実施

　2023年3月2日、プロドローンは、甑島地域ドローン物流コンソーシアムに参加し、2023年2月21日に、薩摩川内市（本土）から上甑島へ約26kmの医薬品ドローン物流を実施したことを発表した。同実験は、令和4年度鹿児島県地域課題解決型ドローン実証実験補助金を活用したものとなる。

　近年、地方の高齢者等を中心に、食料品の購入に不便や苦労を感じる買い物弱者が増加しており、新たな輸送手段としてドローンが期待されている。同実験では、鹿児島県本土の西方約30kmの東シナ海上に位置する上甑島において、長時間飛行可能なドローンによる本土からの直接輸送の実証実験を行った。

飛行する「PD4B-M」

実証実験の概要

　天候は晴れ、離発着地点の風速はときおり8m/sの強風が吹く中、実験を実施した。

　離陸重量20kgの「PD4B-M」を使い、実際の運用を想定した片道26kmのフライトを2機同時に行った。高度50mの低速用ルートと、高度65mの高速用ルートを設定し、途中で高速なドローンが低速なドローンを追い抜くなどが見られた。

　マルチコプター型ドローンは、有翼機やシングルコプターよりも航続距離で不利とされているが、同実験により25kmを超えるフライトが可能であることを証明。また、有翼機よりも離着陸の際の風に強く、シングルヘリコプターよりもシンプルでメンテナンスが容易であることから、今後課題となる運用コストの低減が見込まれる。

　片道のフライト終了後のバッテリー残量は、低速ドローンが30％、高速ドローンは40%と、余力も残されていた。

飛行場所（鹿児島県全体地図）

飛行場所（詳細）

協力：鹿児島県商工労働水産部新産業創出室、薩摩川内市

使用機体「PD4B-M」

　実証で使用したPD4B-Mは、軽量ながら10kgのペイロードがあり、長時間飛行が可能。今回の実証は海上物流のため、機体下部に物流用ボックスとフロートを搭載した。

実証で使用した「PD4B-M」、機体下部にはフロートを搭載。