2023年2月15日、プロドローンは、愛知県、名古屋鉄道、生活協同組合コープあいち、ミヤチ、新城市、豊川市、東三河ドローン・リバー構想推進協議会とともに、「高ペイロードドローンを活用した孤立集落への重量物を含む救援物資輸送の検証」を、2月14日に愛知県新城市で実施したことを発表した。
この検証は、東三河地域等の山間部で課題となっている、大規模災害による孤立集落の発生時に、高ペイロードドローンが救援物資の提供を行う運用モデルの実証実験となる。
実験では、高い携行性と高ペイロードを両立するドローンの活用により、これまで実現が難しかった小型資機材(水・食料等)の大量輸送や、蓄電池等の重量物輸送について検証を行った。同時に、新城市と災害支援に関する協定を締結している生活協同組合コープあいち、および東三河ドローン・リバー構想推進協議会の会員とともに大規模災害時における連携を確認した。
検証の概要
プロドローンでは、平時は医薬品や経口補水液を輸送し、災害時は救援物資を50kg搭載して50km飛行できる「空飛ぶ軽トラ」の開発を進めている。今回はその前段階として、50kg搭載、10km飛行可能な新製品「PD-Bear10」プロトタイプを活用して、重量物運搬の検証飛行を3回に分けて行った。
1回目は、初動から必要となる約15kgのバルーンライト、2回目は23kgの大容量蓄電池、3回目は43kgの水・食料の各救援物資を輸送した。ネット等の重量3.5kgを加え、それぞれ18.5kg、26.5kg、46.5kgを運搬した。
事業実施体制 | |
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愛知県 | 事業委託元(無人飛行ロボット活用促進事業) |
名古屋鉄道 | 事業総括、関係者調整等 |
プロドローン | 機体開発・運航 |
生活協同組合コープあいち | 救援物資(生活資材)提供 |
ミヤチ | 救援物資(蓄電池)提供 |
新城市、豊川市 | 実証実験協力 |
東三河ドローン・リバー構想推進協議会 | 実証実験協力 |
「PD-Bear10」プロトタイプ
今回実証で使用した機体「PD-Bear10」プロトタイプは、折り畳むことでワンボックスバン等への積載、搬送が可能。量産化を見据え、メンテナンスのしやすさやシンプルな構造を取り入れている。
重量物運搬飛行は、荷物搭載時と無搭載の時で大きく負荷が変化するため、無搭載時にはモーター回転数が低くなり飛行が不安定になることが課題であった。同社はゲイン調整、各アームの長さの変更、プロペラを見直すことで同課題を解決している。
サイズ | 2,470×2,470mm(展開時) |
重量 | 28kg(バッテリー除く) |
飛行時間 | 13分(ペイロード50kg、16,000mAh 12本使用) |
バッテリー | 16,000mAh 12本、または 24,000mAh 12本 |