2022年6月9日、ブルーイノベーションとセーフィーは、複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができるデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(以下、BEP)」と、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を連携させた「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」の提供に向けて、業務提携したことを発表した。

 この提携により、ドローンやロボットなどに搭載したカメラと、作業員が装着したウェアラブルカメラや定点カメラなど複数のデバイスで撮影した映像データを、クラウド上でリアルタイムに一元管理・連携させることが可能となる。公共機関やインフラ業界、物流、災害対応などさまざまなシーンで、映像を活用した業務の遠隔化や生産性向上、自動化が期待される。

 公共機関やインフラ点検、物流・流通、警備・保安などの産業分野では人材不足が進んでおり、現場業務での安全性の確保や業務効率の改善などを目的に、データを利活用してそれらを解決することが目指されている。なかでも人の目を代替する映像データで現場を見える化することにより補完される用途は多く、ウェアラブルカメラや定点カメラ、ドローン、ロボットなどを活用した映像の利活用が望まれる。

 一方、各デバイスが撮影した映像データは別々に保存・管理されるため、内容確認や撮影場所の特定、相互のデータ連携などの業務が煩雑になり、結果として映像データの利活用による業務の省力化や自動化が進んでいないという課題がある。

 これに対し、両社のプラットフォームであるBEPとSafieを連携させ、BEPで制御されているドローンやロボットが取得したデータと、Safieのウェアラブルカメラや定点カメラが取得した映像データを一元化することで、以下が可能となる。

ドローンやロボットに搭載したカメラ、ウェアラブルカメラ、定点カメラといった各カメラが取得する映像の統合、連携による業務一元化。
ドローンやロボットの稼働状態、および周辺の安全確認における業務省力化、自動化。
ドローンやロボットでは入れない場所(狭小空間や密閉空間など)での、ウェアラブルカメラや定点カメラの映像データ取得による業務対象範囲の拡大。
撮影対象や業務にあわせた撮影デバイス選択による業務最適化。

プラットフォーム連携イメージ

 今後両社は、多彩なデバイスによる映像取得からリアルタイムなクラウド伝送、映像データの一元管理と連携までをトータルサポートするリアルタイム映像伝送・統合管理ソリューションの共同開発と実証運用を進め、映像を核とした業務の省力化・自動化、さらに現場DXの推進および社会課題の解決に貢献していくとしている。

 6月21日~23日に幕張メッセで開催される「Japan Drone2022」のブルーイノベーションブースにおいて、同ソリューションのデモンストレーションを行い、実証運用の受付を開始する予定である。

各社コメント

 地球温暖化に伴う災害や感染症の増加、高度成長期以降に整備されたインフラ施設の老朽化に伴う維持管理の負担増、少子高齢化に伴う労働人口減少などの課題解決の手段として、ドローンやロボットによる業務の省力化・自動化、DX化が急激に進んでいます。そこでは広域・多岐に渡るデータ取得と管理が必要であり、その中でも死角のない、リアルタイム映像による「見える化」は重要です。今回のセーフィーとの取り組みを通し、業務改善・DX化推進に貢献できるものと確信しています。

ブルーイノベーション 熊田 貴之 代表取締役社長CEO

 今回、私たちの映像プラットフォームと、人とロボットを繋ぎ、社会課題を解決するブルーイノベーション提供のプラットフォームを連携することで、ドローンやロボットのような業務の省人化や無人化を支援するテクノロジーの映像データをクラウド化する一歩を踏み出すことができ、それらをより有効活用することが可能になります。今後、益々活用が進む先端技術の有効活用化を支援することで、公共機関やインフラ業界の現場におけるDXを推進していきたいと考えています。

セーフィー 佐渡島 隆平 代表取締役社長CEO