2022年6月1日、ブルーイノベーションと英Urban Air Port社(以下UAP社)は、空飛ぶクルマの離発着場であるバーティポートの早期実用化に向け、ポートの共同開発と日本国内で実証実験を行うことに合意する覚書を締結したことを発表した。

UAP社の空飛ぶクルマ向け「バーティポート」(左)、ブルーイノベーションの「ポート情報管理システム(VIS)」画面(右)

 ブルーイノベーションは、2016年から国土交通省や東京大学と共同で、ポートの稼働状況やドローンの運行情報などをリアルタイムに集約・管理する「ポート情報管理システム(以下VIS)」とドローンポート本体を組み合わせた、ドローンポートシステム「BEPポート」の研究開発を進めている。また、国際標準化機構(ISO)において有人・無人航空機の離発着を管轄する空港インフラ(SC17)のワーキンググループの議長を務めるなど、空のインフラや設備の国際標準化にも取り組む。

 UAP社は、米国やEU、アジア太平洋地域の主要な地域65カ所に独自開発の空飛ぶクルマ向けバーティポートを設置する計画を進めており、2022年4月25日、英国Coventry市に最初の空飛ぶクルマ向けバーティポート「Air One」を設置し、実証実験を開始している。

ドローンポートシステム「BEPポート」。高精度離着陸機能、ポート周辺の複数ドローンの運行管理機能、ポートへの人等の侵入検知機能、ポート周辺の風向風速情報管理機能を備える。
UAP社の空飛ぶクルマ向けバーティポート「AirOne」。設置場所やニーズにあわせて機能を選択・組み合わせることができるモジュールタイプ。

 この提携により両社は、ブルーイノベーションのVISとUAP社の空飛ぶクルマ向けバーティポートを連結させることで、BEPポートのラインナップを強化し、日本国内での実証実験を通して早期実用化を図る。そして、グローバル展開を視野に入れた事業化検討を進めるとしている。

各社コメント

 空飛ぶクルマやドローンを社会実装するためには、ポート自体の稼働状況の監視や管理はもちろん、飛行・運航状況や離着陸時の安全を確認するVISが必要不可欠です。私たちブルーイノベーションは、これまでにもBEPポートのVISを国内外のポートメーカーに提供してきました。本提携もその一環であり、一日でも早い空飛ぶクルマの実用化に向け取り組んでいきます。

ブルーイノベーション 代表取締役社長CEO 熊田貴之氏

 アーバンエアポートは、日本を非常に重要な市場と位置付けています。その日本で、ブルーイノベーションと私たちのプラットフォームを融合させ、共に開発を進めるために、私たちはクラス最高の技術とプラットフォームを提供します。今回の協業により、日本そして世界に向けたAAM(Advanced Air Mobility、次世代空モビリティ)エコシステムが構築できることを楽しみにしています。

Urban Air Port .Ltd CFO Adrian Zanelli氏