2021年12月24日、テラドローンは、日本ゼオン徳山工場において、タンク内部目視点検の実証実験を⾏ったことを発表した。

　同実証ではマイクロドローンを用いて、普段は足場を組まなければ⾒ることのできないタンク内部高所の目視点検を⾏い、目視と同等の精度で点検が可能なことを確認した。

マイクロドローン（左）、タンク内部の表面状態（右）

　球体タンクの目視検査は法律で義務づけられており、定期検査を実施している。従来の⼈⼒による検査方式ではタンク内を空にして足場を組む必要があるため、時間コストや⾦銭コストの負担が⼤きい。また、検査員が足場を伝いながら作業するため、落下事故などのリスクがある。

　目視点検用ドローンは足場の仮設が不要なため、コストカットおよび⼤幅な検査期間の短縮を図ることができる。検査時の安全性も高まり、労働衛生環境の向上につなげることも可能となる。

　日本国内では、高度成⻑期に建設した橋梁やダム等が修繕期を迎えている。テラドローンは、製鉄所の煙突や発電所等の高所・閉塞空間での作業にドローン技術を活用することで、今後需要が高まるインフラ整備・修繕にかかるコストカットや点検作業の安全性の向上に貢献するとしている。