グリーン電力会社のafterFITは、全自動ドローンによる太陽光発電所の点検業務を遠隔から行う実証実験を、2021年12月9日に開始した。再生可能エネルギーの導入拡大と低コスト化が社会的に期待されるなか、全自動の汎用ドローンを使った保守点検を進めることで、発電所保守のコストダウンを図る。

　実証実験は、札幌市の澄川発電所において赤外線カメラを搭載した汎用的な機体を活用して実施。遠隔地からのドローン飛行指示のみで、Drone Nest（充電ポート）から自動離陸し、あらかじめ設定したルートに沿って赤外線カメラで撮影した後、自動で着陸してDrone Nest内で充電までを行う。

　従来は発電所に作業員が向かいドローンを操縦していたが、全自動ドローンの導入により、省人化によるコスト削減と合わせ高頻度での赤外線カメラによる点検が可能となる。また発電所内の監視カメラや侵入検知装置と連携することで、防犯・セキュリティーシステムとしても活用できる。

　保守業務の低コスト化には省人化が求められるが、汎用機を用いた全自動ドローンによる保守業務事例は国内ではまだ事例がなく、全自動ドローン専用の機体は一千万前後と高価で実用化は進んでいないという。

　今後同社はシステムの安全性や信頼性の検証を行い、レベル3による無人運用を自社の太陽光発電所で実施し、他業種におけるセキュリティードローンとしても事業展開を計画している。2022年1月には関東近郊の発電所において、セキュリティーシステムとの連携を目指すとしている。