2021年10月12日、日本化薬は、自社で開発する産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を用いた実証実験を実施することを発表した。

 PARASAFEは、ドローンの落下を検知し、火工品を遠隔的に作動させることで瞬時にパラシュートを展開し、安全にドローンを降下させる装置である。日本化薬では、エアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品の開発・製造を通して培った火工品技術を応用してPARASAFEを開発しており、2021年12月に販売を開始する予定だ。

 今後市街等を飛行するドローンの緊急時の安全装置として、パラシュートシステムの有効性を確認するため、国家戦略特区である兵庫県養父市にて実証実験を実施する。その有効性が証明されることで、ドローン運用の安心感が生まれ普及が促進し、新しい業界業種での利活用が進むことを見込んでいる。

 実証実験では、1)PARASAFEを搭載したドローンを飛行させ、飛行ロガーを用いて飛行ログを取得、2)PARASAFEを搭載したドローンを落下させ、パラシュートによって落下衝撃を緩和できる効果を確認する。

実施概要

実証実験名
ドローン緊急時のパラシュート有効性検証実験

実施日
2021年10月25日 10:00~12:00
 実証実験についての概要説明会(場所:養父市役所)
2021年10月26日 13:00~17:00 ※雨天の場合は10月27日同時刻に実施予定。
 ドローン飛行/落下を行う実証実験(場所:つるぎが丘公園グラウンド)

PARASAFE
最大離陸総重量:25kg
外形寸法:Φ130×H154mm
本体重量:1kg
パラシュート面積:12㎡
降下速度(理論値):5m/s(25kg吊下時)
最低展開高度:30m以上

実証実験で使用するドローン
メーカー:プロドローン
名称:汎用型ドローン
モーター軸間:1,000mm
サイズ:700✕700✕410mm(PARASAFE含まず)
サイズ:700✕700✕560mm(PARASAFE含む)
離陸重量:9.07kg(PARASAFE含む)
ペイロード:2.5kg(PARASAFE含まず)
飛行可能時間:15分(PARASAFE搭載時)