2020年6月29日、DRONE FUND(以下ドローンファンド)は、Aerial Vehicle Safety Solutions Inc.(本社:カナダ ニューブランズウィック州、以下AVSS)へ、DRONE FUND2号(千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)より出資を実行したことを発表した。
AVSSについて
AVSSは、産業用ドローンへの搭載および運用が簡易な独自のパラシュート・システムを開発する、2017年創業のカナダ発スタートアップである。そのソリューションの特長は、業界初のテクノロジーを採用したパラシュート・ポッド(Parachute Pod™)にある。パラシュートの射出方式にバネを採用しており、リパッキングのためのダウンタイムとコストを必要としない。
これにより、第三者上空の飛行にともなうリスクを低減するだけでなく、たとえば火気の使用が制限されたプラント等の危険なエリアやユースケースにおいても、パラシュート付きのより安全なドローンの導入が可能となる。
今回の出資について
新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、物流領域におけるドローンの可能性には改めて注目が集まっている。しかし、将来的にさらに多くのドローンが飛ぶことを想定した場合、機体面から操縦面、運行面に至るまで、あらゆる角度から安全策を重ねなければならない。これは地上にいる第三者の安全確保に限らず、ドローン事業のサービサーが機体を長く安全に運用していく上で重要な観点である。
ドローンのパラシュートは、運行上のリスクを低減させ、安全性を確立するための方法のひとつとして国際的な注目を集めており、ドローンファンドも、その重要性が今後ますます高まると見込んでいるという。EUには取り付けが義務づけられている国も多く、義務付けられていないアメリカでも、承認を受けている第三者飛行申請の多くがパラシュート付きの機体によるオペレーションであるということが分かっている。現在、日本には取り付け義務などを伴う法規制はないが、レベル4(有人地帯における目視外飛行)にむけて、これらの装備や保険サービスなどの重要性も高まってくると考えられる。
より安全で信頼性のあるドローンの社会実装を推進するにあたり、Josh Boudreau、Josh Ogden、Mariah Murray率いるAVSSのテクノロジーと情熱、ビジョンを高く評価し、ドローンファンドは今回の出資を決定したという。ドローンファンドは今後も「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、ドローンの利活用による便益と安全性の双方を両立することのできるテクノロジー、ソリューションへの投資を加速していく、としている。
AVSS 概要
・ 社名 :Aerial Vehicle Safety Solutions Inc.
・ CEO :Josh Ogden
・ 所在地 :New Brunswick, Canada
・ 設立 :2017年
・ URL :https://www.avss.co/