産業用水中ドローン「DiveUnit300」

 2021年9月14日、FullDepthは、自社開発の産業用水中ドローン「DiveUnit300」の拡張機能と、軽作業が可能なアタッチメントを発表した。

 新たに追加された機能は、「ホバリング機能」「ボディピッチコントロール」など。

 ホバリング機能は、水中において一定の位置に停止することが可能。水中音響装置DVL(Doppler Velocity Log:ドップラー対地速度計)を搭載し、高精度で自動的にホバリングを行う。ホバリング中は移動時も自機の位置を検出し続け、深海や河川で潮流があっても流されないよう補正する。

 ボディピッチコントロールは、機体の角度を調整し、水中点検での作業の効率化を図ることができる。カメラの撮影範囲やマルチナロービームソナーの可動範囲拡大、撮影対象物に合わせてLEDライトの照射角度を調整できるため、船底など角度のある対象物にも光を当てることができる。

 アタッチメントは、対象物を測定できる「ラインレーザー」、水中対象物の回収・設置や水中生物の採捕などを行う「グリッパー」、4Kカメラで最大水深300mまで撮影可能な「360度カメラ」、複数のオプションを同時搭載する拡張機器「I/F BOX」など。

 同社ではDiveUnit300の購入者向けに、新機能発表会(デモンストレーション)を実施する予定だ。

DiveUnit300

 産業用水中ドローンDiveUnit300は、7基の推進器により深海300mまで潜行が可能。本体と船上の通信を行う3.7mmの超極細光ケーブルは、潮流の抵抗を低減し、機動力と安定性を確保。140kgの加重まで耐えることができる。

 遠方の現場には宅配サービスで送付可能。ダム等の車が入れない現場にも手軽に運べ、狭い場所にも対応する。

 濁りや浮遊物で水中の視界が悪い状況でも調査対象を確認できる「マルチナロービームソナー」、水中ドローンの自己位置を把握する「USBL音響測位装置」、強い濁りの映像補正を行う「画像鮮明化装置」をオプションとして揃えている。

 注力領域は、ダム(堤体面、取水口等)や洋上風力発電所(環境アセスメント、海底地盤、海底ケーブル等の調査)、管路点(管内調査、破損箇所等)。

 同機体は国土交通省の新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)に登録されている。

ダム・洋上風力発電所・管路