パーソルプロセス&テクノロジーは、PwCコンサルティングと共同で「ドローンユーザーの動向調査」を実施し、2021年6月11日に調査結果を公開した。
ドローンの有人地帯における目視外飛行の実現と社会実装に向けて、各地でさまざまな実証実験や利活用が行われている。企業や自治体において実用化が進む具体的なユースケースや、実用化への判断基準、期待する効果などの実態を把握することを目的に、全国の会社員、自治体職員を対象として昨年に引き続き調査を行った。
サマリー
・ ドローンの利用率は全体の22.8%、そのうち実用化に向けた計画をしているのは19.1%
・ 実用化が進んでいるのは主に空撮、土木建築、および設備巡視
・ 実用化への判断基準は省人化、取得データなどの付加価値を含む費用対効果と、安全飛行の実現
・ ドローンの利用を検討する際の懸念点は「安全性」や「人員スキル」「ドローンの使いやすさ」
・ ドローンの導入が加速するために必要な要素は「価格」よりも「ドローンやソフトウェアの性能向上」
「ドローンユーザーの動向調査」概要
調査期間 :2021年2月
有効回答数 :435件
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :日本全国の企業・自治体(うち4割が3,000人以上の規模)、企画や総務(設備管理)部門の所管・所属で、経営者・役員を含む役職層
調査項目 :ドローン実用化状況およびその判断基準
※ウエイトバック集計により小数点以下が発生している。小数点以下の切り上げ、切り下げにより回答人数と各回答数の合計が異なる箇所あり。
▼詳細資料ダウンロードフォーム
https://www.persol-pt.co.jp/drone/download5.html
※調査結果を利用する場合は「パーソルプロセス&テクノロジー調べ」と明記が必要
主な調査結果
今回の調査結果では、有効回答数435件のうち「ドローンの利用実績あり」と回答したのが99件、全体の22.8%で、昨年の24.3%と同程度の割合。また「利用している、かつ実用化に向けて計画がある」と回答したのは83件となり、全体の19.1%という結果であった。
「実用化に向けて計画がある」と回答した者のうち、実用化にあたる「社外事業展開」と「社内実用化」は、34.9%であることがわかった。
また、「実用化に向けて計画がある」と答えたユーザーが目指す活用レベルは「ドローンにより今までできなかった業務を行う」や「代替可能業務を部分的に置き換える」を中心に取り組んでいるとの回答だった。
「実用化に向けて計画がある」と回答したユーザーの具体的なユースケースは、主に空撮、土木建築現場状況把握、および定期確認業務にあたる設備巡視を中心にドローン実用化が進んでいる結果となった。また、去年と比べて災害現場状況把握の回答数が増加した。
ドローンを利用したことがある回答者に対し、実用化に進むための判断基準について聞いたところ、最も多かったのは「付加価値を含む費用対効果の見込みの有無」、次いでインフラ整備などにあたる「安全飛行実現への見込みの有無」であった。
「ドローンの実用化計画あり」かつ「付加価値を含む費用対効果見込みの有無」と回答したユーザーの具体的な期待項目は、「従来業務と同等なコストでも省人化できれば良い」と回答したのが27名、「取得データなどによる付加価値があれば、従来業務のコストを上回っても良い」と回答したのは7名。半数以上が労働人口不足に備えた「省人化」と取得データなどによる「付加価値の創出」に期待しているという結果になった。また、費用対効果の実現見込みについては、回答者の半数以上が3年以内と答えた。