ゼンリン、KDDI、イームズロボティクス、佐伯海産、佐伯市、大分県は、2020年11月30日から2020年12月2日の期間において実施した、生産者マップ(※1)を活用したドローンによる農産物の自動集荷と、「道の駅やよい」(大分県佐伯市)での即売のサービス実証に成功したことを、2020年12月2日発表した。
 本実証は、大分県の「ドローン物流活用推進事業委託業務」として実施するもので、今後、実証結果の検証・分析を通じて大分県の地域課題解決とドローン社会の実現を目指すとしている。なお、生産者マップを活用してドローンの集荷ルートを設定し、即売するサービス実証は日本初だという(2020年11月時点、ゼンリン調べ)。

農産物の自動集荷と即売のサービス実証の様子(イームズロボティクスより)

※1 取り扱っている農産物や位置情報など、各生産者の情報を地図上に可視化したもの。入荷したい農産物から該当する生産者を検索し、ドローンの最適な集荷ルート設定の参考にしている。

実証の背景

 大分県では、IoTやロボット、ドローン、アバターなどの先端技術を活用することで、地域課題の解決や、新しい産業分野に取り入れ、県内産業の振興を目指す「先端技術への挑戦」として、ドローン物流の社会実装を推進している。人口減少と高齢化が進み、高齢者の自動車運転免許返納等が社会的な課題になる中、佐伯市においても、自動車が生活の足となっているものの、通院や買い物、コミュニティづくりにおける移動手段が地域課題になっている。

 また、佐伯市弥生にある「道の駅やよい」では、高齢化による担い手不足と免許返納によって、農産物を出荷する生産者数が減少し、新鮮な農産物の荷量確保が課題となっている。今後、農作業を楽しみにしている高齢者の活躍の場を広げ、地域の生産消費拠点である道の駅の売り上げ向上につながる新たな配送手段としてのドローン活用検証・分析を実施するため、今回「道の駅やよい」をフィールドとして実証が行われた。

実証概要

農産物の販売拠点である「道の駅やよい」に出荷している生産者の情報を生産者マップで可視化し、効率的にドローンで集荷できるルートを設定する。

ドローンが農産物の集荷先まで自動飛行し、農産物を集荷する。

集荷した農産物を「道の駅やよい」の店頭へ陳列し、販売する。

各者役割

会社名役割
ゼンリン提案主体、事業運営管理、飛行ルート(空の道)設計、
生産者マップ作成、ビジネスモデル検討
KDDI実証を踏まえたドローン飛行時のLTE活用の検討
イームズロボティクスドローン機体提供/飛行オペレーション
佐伯海産実証フィールドの提供、ビジネスモデル検討
佐伯市実証フィールドの調整、関係機関連携協力
大分県地元・関係機関調整支援

今後の展望

 今後、ドローンの最適な自動集荷ルートの設計と検証飛行により、技術面・実運用の課題を明らかにしながら、佐伯市の新たな配送手段としての活用可能性を検討し、新たなビジネスモデルを通じて地方創生を目指す、としている。