大分県杵築市では、高齢化に伴う買い物難民の増加、COVID-19の影響による観光客の減少、観光地と主要商業施設が離れていることによる波及効果の低減などの課題があり、ドローン物流の実現による解決が求められている。

 ブルーイノベーションとオーイーシー、きっとすき、大分県では、これら地域課題解決のために実証プロジェクトを立ち上げ、上記フィールドにおいてドローン物流の実証事業を開始することを、2020年8月18日に発表した。なお、本事業は「大分県ドローン物流活用推進事業」を活用して実施するものである。

事業概要

 この事業は、ドローン物流の社会実装において重点課題となっている「事業採算性の確保」を解決するために、大分県杵築市において事業開発を進めていく。取り組むテーマは、①地元における採算性の良い配送ルートの検証、②テクノロジー活用による人的運用コストの削減、③ドローン物流体験による観光収入増加 の3つである。

 配送ルートは、採算性の良いルートを見極めるために、地元のスーパーである神田楽市を起点とした複数ルートを企画検討中である。観光施設へ向けたBBQ配送や、イベント施設へ向けた弁当配送などを予定している。

 委託企業の各社役割は以下となる(表1)。実証実験までに、技術課題を解決する協力企業を含めた体制としていく予定である。

表1
企業・団体名事業内容
ブルーイノベーション事業企画、開発プロジェクトマネジメント、物流ドローンシステムの提供
オーイーシー大分県内企業との調整
きっとすき杵築市内との調整、事業実行時の運用


 実証実験は、2020年度の11月を予定している。大分県ではドローン物流の実用化による地域課題の解決を推進しており、今回は具体的な事業化に向け一歩前進した内容の実証実験となる。