2020年11月30日、アイ・ロボティクスは、独自のAI解析技術と画像鮮明化技術を組み合わせた「インフラ点検映像解析ソリューション」の提供を開始することを発表した。ドローンの撮影映像だけでなく、さまざまな産業基盤の点検における各種映像解析に利用することが可能である。

サービス開始背景

 アイ・ロボティクスは、地下鉄の天井裏やプラントの煙突といった複雑な閉鎖空間や狭隘部に対し、目的ごとに各種カメラを搭載したドローン・ロボットを送り込む点検を行っている。こうした点検では、ドローン・ロボットの高度な運用技術と同時に、高精細データの処理・解析・レポート作成を確実に行うことが重要となる。また、取得したデータの扱いはドローン・ロボットの運用とは異なる専門領域になることから、多くの現場でドローン・ロボット導入におけるボトルネックとなっている。

点検映像データ解析上の課題

 アイ・ロボティクスは、サービス開始から全国100個所以上の天井裏や煙突といった閉鎖空間や狭隘部に対して、360度カメラや4Kカメラを搭載した遠隔ドローン・ロボットによる点検や作業を行うサービスを提供してきた。しかし、これらの映像データを産業用に利用する場合、遠隔ロボティクスには多くの制約があり、同社ではそれらの制約を顧客と対話しながらひとつずつ解決しているという。

課題事例

・光源の位置、光の当たり方によってデータにムラが生じる
・ドローンの風が粉塵や蒸気を巻き上げて映像が不鮮明になる
・ドローンの外格フレームや構造物に光が当たりピントがずれる
・撮影データのサイズが膨大になる
・最終的に異常箇所診断の専門家や有資格者の確認が必要
・似たような映像が多く撮影した位置の推定ができない
・適切な画像を抽出しレポートに再構築する必要がある など

インフラ点検映像解析ソリューション

 アイ・ロボティクスの撮影ノウハウに加え、AIによるリアルタイム高鮮明化・高精細化、類似フレーム統合技術による360度映像の高圧縮化、AIによる異常データ抽出とパターン分類による専門家の判断支援などを迅速に行うことができるよう順次体制を整え、これら一連のノウハウを「インフラ点検映像解析ソリューション」として提供していく。