2019年10月28日、ヤマハ発動機は、woodinfo、リモート・センシング技術センター、マルヨシとのコンソーシアムで愛媛県より受託した「木材増産AI構築モデル事業」のデータ採取のため、2019年10月28日から3日間、同県久万高原町の森林計測を行うことを発表した。

 この計測は、産業用無人ヘリ(以下、無人ヘリ)を活用して、地形、樹木の密度や並び、本数・幹の直径を測定し、デジタルデータとして把握し、コンソーシアムで構築した “新たな森林管理支援システム(仮称)” を用いることで、適切かつ効率的な森林の経営管理に役立てることを狙いとしている。

 2019年4月に施行された森林経営管理法により、森林所有者には森林管理が義務化された一方で、森林の適切な管理に必要な人手の不足、資産価値向上に必要な定量情報が取れていないことが課題となっている。

 同社はこれまで、無人ヘリを通じて 1) 水稲を中心とした30年以上の農薬散布機事業の展開、2) 火山の噴火や土砂崩れなどの災害現場の観測、3) 山間部の送電線鉄塔のメンテナンス資材の運搬など、空からのソリューション価値提供を続けてきた。同事業では、長時間飛行できる無人ヘリの優位性を通じて、空からの高効率な森林計測を行うことで、森林管理における生産性向上への貢献を目指していくという。

 同社はこれからも、無人ヘリやドローン、ロボティクス技術の開発・活用を通じて、省人化、自動化、生産性向上といった価値提供を行い、ヤマハらしい社会課題の解決に取り組んでいく、としている。

計測の概要

日時 :2019年10月28日(月)~30日(水)
場所 :愛媛県久万高原町の森林4ヶ所(およそ20~25haを予定)
実験名:無人ヘリに搭載したレーザー測量システムによる森林調査
計測用機体:ヤマハ発動機・産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」
計測方式:LiDAR 計測

無人ヘリでの計測イメージ
計測結果