9月7日~8日の期間、長崎県長崎市の出島メッセ長崎にて、第2回ドローンサミットが開催された。2022年6月20日にドローンの登録制度がスタートし、重量100g以上の機体へのリモートID発信機の搭載が義務化され、同発信機をいち早く開発・販売したTEADが出展。改めてリモートIDに関連するラインアップについて伺った。

ラジコンとドローンに対応する軽量化されたリモートIDソリューション

 リモートIDは、搭載した機体から電波を発信し、地上の受信機を使って登録情報を参照できる仕組みとなっており、主に警察官等が違法なドローンの調査や墜落したドローンの所有者を確認する際などに使われる。

TEADが販売する3種類のリモートID発信機。TD-RID軽量バッテリーレスタイプ(左)、TD-RID軽量バッテリー内蔵タイプ(中央)、TD-RID外付けタイプ(右)。

 登録制度の創設を受けてTEADは、幅広い機種に対応する外付けタイプのリモートID発信機をいち早く販売した。ドローンの利用者からすれば、搭載するメリットは非常に少ないことに加え、ドローンの重量が増すことは飛行時間の短縮につながってしまう。そこで、TEADは可能な限り小型化し、重量わずか12gという魅力的な製品を開発した。バッテリーは充電式となっており、満充電で約6~8時間稼働する。所有者の情報を発信する通信方式はBluetooth5.1 Low Energyで、見通しの良い場所では、300m以上で受信できるというものだ。軽量コンパクトな設計に加え、2万9700円(税込)というリーズナブルな価格も反響を呼んだ。

 制度創設から約1年が経過し、リモートID発信機は数社から販売されている。さらに幅広いニーズに対応するべく、TEADもラインアップの拡充を図り、現在は従来型に加え、さらに軽量化したリモートID発信機の販売を開始している。これは、従来の重量12gから約半分となる7.5gまで軽量化したモデルであり、バッテリー内蔵型(7.5g)と機体から電源を取るバッテリーレス型(4.5g)の2種類を開発した。通信方式や通信距離は従来型と同等であり、価格もバッテリー内蔵型は1万6233円(税込)、バッテリーレス型は1万5387円(税込)とさらに手頃となった。

通信方式に捉われない、リモートIDからの位置情報を分かりやすく可視化

 リモートIDから発信された情報は、国土交通省が提供するDIPSのアプリケーションから受信することができる。ただし、受信するためには端末との相性を考慮しなければならない。というのも受信できる端末はBluetoothのロングレンジに対応した端末に限られているうえ、対応していたとしても相性が悪いと受信できないという事例が多く報告されているからだ。iPhoneやGoogle Pixel、Xperiaといった主要機種も受信できないというから注意が必要である。また、情報を受信した場合、表示されるのは緯度経度情報のみとなっており、例えば機体が墜落して見失ってしまった場合、この情報をもとに位置を特定することは非常に困難といえる。

リモートID情報を可視化するリモートID探索受信機を発売。価格は5万8039円(税込)。
リモートID探索受信機を使用すれば、マップ上にドローンの位置を表示することが可能。(引用:TEAD株式会社)

 このような事情を受け、TEADは独自にリモートID探索受信機を開発。これを使えば、ロングレンジに対応した端末でなくても情報の受信が可能となり、さらには位置情報をマップ上に表示するため、非常に分かりやすく可視化される。また、電波を受信できる範囲であれば、周辺を飛行する第三者のドローンの情報も表示することができるため、飛行前の安全確認に使用できるという。ただし、リモートID発信機の通信方式にはBluetooth以外にWi-Fiを採用したものがあり、当製品では受信ができないので注意が必要だ。

 制度の創設後、国内で多くの機体シェアを誇るDJIもリモートIDの搭載を発表し、Wi-Fi Awareを使ったリモートIDに対応した。DJIのほか、Wi-FiによるリモートID搭載機が増えたこともあり、TEADはWi-Fiにも対応したリモートID探索受信機を開発している。

Wi-Fi方式を受信する開発中の探索受信機。
ドローンの位置情報のほか、飛行経路も確認することが可能に。Bluetoothは青いラインで表示され、Wi-Fiは赤いラインで表示される。

 これは、PCと接続して使用する受信機となっており、空港などの重要施設で常時監視することを想定している。現在開発中で、今後発売を予定しているという。

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