2023年9月27日、NTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)は、自社で設計・開発・製造する農業ドローン「AC101 connect」の提供を、2024年春から開始すると発表した。

 2023年10月11日より購入相談(販売受付)を開始する。オープン価格。

 AC101 connectは、日本の圃場にあわせて提供してきた従来のAC101をアップデートし、より精密でより高度な散布を可能とする。

 Auterionとの戦略的な業務提携にもとづき開発したNTTイードローン製フライトコントローラーをはじめ、全ての制御基板、送信機、散布装置等を一新。そのうえで、通信を介してさまざまなアプリケーションやデータと安全に連携可能なソフトウェアを開発実装することで、より精密で高度な散布や安全な運用を推進するとしている。

Auterionと共同開発したフライトコントローラー(日本国内生産)

「AC101 connect」特徴

・軽量コンパクト
 狭く変形した圃場でも簡単・手軽に扱える機体サイズ。コンパクトながらも散布幅は5m。

・バッテリー1本で最大2.5ha散布
 バッテリーの残量を気にすることなく散布することが可能。

・より精密で高度な自動航行
 ネットワークRTKに対応(※1)し、より精密な自動航行が可能となった。GNSS(GPS等)もアップデートし、捕捉可能な衛星の数が増えるため自動航行以外のフライトモードの精度も安定する。
※1 携帯事業者や自治体が提供するネットワークRTKサービスの契約が必要。

・データ連携
 BASFデジタルファーミング社・BASFジャパンが国内で提供する栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」の地力マップとのデータ連携により、送信機(プロポ)に可変施肥を支援する圃場マップを表示する機能等の提供を予定している。(提供時期:2024年夏以降)

▼AC101 connect特設サイト (10月11日オープン)
https://www.nttedt.co.jp/ac101-connect

G7農業大臣会合にAC101 connectを出展(2023年4月)

「みどりの食料システム戦略」への取り組み

 政府は、環境負荷の低減を図りながら、持続可能な農山漁村の創造やサプライチェーン全体を貫く基盤技術確立と連携(人材育成、未来技術投資)等を目指す「みどりの食料システム戦略」を推進している。そのため同社は、機体の開発や提供だけでなく、その周辺領域に広がる以下のような取り組みも強化するとしている。

環境負荷低減への貢献
バッテリーのリサイクルによる資源の有効利用への貢献
国内開発製造による物流CO2削減への貢献
可変施肥の高度化による肥料削減への貢献

持続可能な農山漁村の創造への貢献
デモ会を通じた農業ドローンを利用したスマート農業に関する情報提供
行政におけるドローンを用いた一斉防除や鳥獣害対策の支援
地域の農業を支える新規参入者(女性、高校生、異業種等)の拡大支援

サプライチェーン全体を貫く基盤技術の確立と連携(人材育成、未来技術投資)への貢献
ドローンの制御装置やデータ利活用サービス等の開発の継続強化
農業ドローンの安全な運用に資する教官・整備士・操縦士の育成