ジュンテクノサービス「人材育成」を強化

 QYSEA社製FIFISHシリーズをはじめとした水中ドローンの販売事業や、QYSEA公認国内修理サービスセンターも担うジュンテクノサービスは、「水中ドローンスクール埼玉校」を運営している。日本水中ドローン協会認定の水中ドローン安全潜航操縦士認定講習を行っており、本展示会ではこの夏開催の告知を強化していた。

 ジュンテクノサービスは、水中ドローンなど活用したインフラ点検調査のIT化を推進する、現場経験豊富な事業者だ。講習では、日本水中ドローン協会認定の水中ドローン安全潜航操縦士認定講習の内容をベースにしつつ、現場での水中ドローン運用経験、修理メンテナンス事業での経験も活かして、人材育成にあたっているという。

 会期途中には、すでにスクールの配布物は捌けてしまったと言い、空飛ぶドローンが主役のJapan Drone 2022においても、水中ドローンへの注目度が高まっていることが窺えた。実際に現場では、実務レベルのオペレーター育成が急務であるという。

 また、機材の展示では、ブースの中心にQYSEA社製の「FIFISH V6」「FIFISH V6S」「FIFISH EXPERT」「FIFISH V6 PLUS」と、通路側の最も目立つ場所にQYSEA社製の「FIFISH W6」が置かれていた。いずれも、ここ1年以内の取材現場で活用されていた機体である。

ブース中心の展示(右手前から時計回りに、V6、V6S、外部カメラを搭載したV6 PLUS、V6 EXPERT)

 FIFISHシリーズは、V6のラインナップが小型機種でバッテリー内蔵式、W6が中型機種でバッテリー交換可となっており、外部給電システムに対応した機種も多い。また、スラスター6基という構成で上下や真横への移動や360度回転、機体を傾けたまま移動するといった運動性能を有することも特徴的で、モーター数が少ない分、省電力になるという。仕様書によると視野角166°の広角レンズ、1200万画素・4K UHDカメラを搭載している。

 2019年に発売されたV6は小型な黄色の機種で、最大潜航深度は100m。V6Sは、ロボットアームを標準搭載、バッテリー容量がV6の約1.6倍にアップグレードした。さらに作業用・プロ級のV6 EXPERT、産業用のV6 PLUSには、2Dイメージングソナーや外部カメラ、水中測位システム、ウォーターサンプラー、水質調査用のセンサーなどを搭載できるようになった。ただし、同時接続は2つまで。

 W6は産業用としてさらにアップグレードした機種。V6シリーズとの最大の違いは、最大深度が350mになり、前方にカメラを2つ装備し、最大5つのオプションパーツを搭載できる点だ。

通路側の展示(W6)

充実のオプションパーツが並ぶ

 オプションパーツの展示点数も多く、人目を引いていた。ロボットアーム(最大深度100mと150mの2種類)や、ウォーターサンプラー(100mlと500mlの2種類)、DVL定点保持システム、pH/濁度/塩分濃度/溶存酸素を計測できる4in1センサーなどが並んでいた。まだ開発中だというが、金属探知機も展示されていた。各種オプションパーツの制御も、FIFISH専用アプリで行えるという。

水槽ではAI活用の最新機能「Vision Lock」のデモ

 オプションパーツ展示の隣に設置された横長の水槽では、Japan Drone 2022に先がけて発表されたばかりのFIFISHアプリの新機能「Vision Lock」のデモンストレーションが実施されていた。

 水中ドローンを操作中、アプリに映る対象物をタップするだけで、その対象物を認識して機体の位置を保持(ホバリング)する、近づきたい対象物をダブルタップすると自動的にそちらに移動するなど、操縦補助として役立ちそうだ。