ドローンのプロペラガードとは、ドローンに装備されているプロペラの周辺を覆う樹脂製のフレームのことを指す。プロペラガードを装備することで、ドローンが人や物に接触した際の安全を確保できる。

プロペラガード装着のガイドライン

 プロペラガードの装備は任意であり、航空法などによる装着義務は存在しない。しかし、包括申請・個別申請で多くのパイロットが使用する航空局標準マニュアル01・02には「飛行させる無人航空機について、プロペラガードを装備して飛行させる。装備できない場合は、第三者が飛行経路下に入らないように監視及び注意喚起をする補助者を必ず配置し、万が一第三者が飛行経路下に接近又は進入した場合は操縦者に適切に助言を行い、飛行を中止する等適切な安全措置をとる」と記載されている。このため、いずれのマニュアルを使用する際も、第三者上空で飛行しない場合以外はプロペラガードを装着しなければならない。

 標準マニュアルを利用するにもかかわらず、プロペラガードを装備できない場合の措置をとらず装備しなかった場合は航空法の両罰規定の対象となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

プロペラガードを装着するメリット・デメリット

 プロペラガードを装着するメリットは、周囲の物がプロペラに接触した時のダメージを防止・緩和できることだ。プロペラガードはプロペラの周囲を覆っているため、万が一機体が落下した場合などに人や物件に対する影響を緩和することができる。また、墜落時にはプロペラ自体の破損や破損したプロペラ破片の散乱を防ぐことにもつながる。一方、空撮においては、カメラの角度によって装着したプロペラガードが画角に映ってしまうことがある。また、プロペラガードを装備することで風の影響を受けやすくなるなど、機体の飛行性能へ影響を及ぼすことは珍しくない。

 これらの状況下で飛行する場合においては、飛行マニュアルに準じた対応を行った上でプロペラガードを装着せず飛行させるか、航空局標準マニュアルではなく別途独自に作成したマニュアルを使用する必要がある。