Skydio合同会社は2023年12月13日、最新機体「Skydio X10」の詳細を東京都内で発表した。「Skydio X10」は、2023年9月にアメリカで発表、11月末より出荷開始されたばかり。日本でも2024年春の出荷予定だ。

 当日は、Skydio合同会社 日本代表の柿島英和氏によるプレゼンテーションと、日本にまだ1台しかない「Skydio X10」のデモンストレーションも行われた。本稿では、同発表会の内容を詳細にレポートする。

最新機種Skydio X10の特徴

 Skydioは、2014年にシリコンバレーで創業した、米国を代表するドローン企業だ。共同創業者のAdam Bry(アダム・ブライ)CEOと、Abraham Bachrach(アブラハム・バカラック)CTOは、共に2007年からMITでGPSを使わない飛行研究の第一人者として活躍し、Google Project Wingの共同創設者兼技術リードの経歴を持つ。

Skydio合同会社発表資料より引用

 このためSkydioは、創業当時から一貫して「自律制御技術」をコアな強みとして、ハード・ソフトのさまざまな製品をリリースしてきた。

「Skydio 2+」「Skydio X2」などの機体をはじめ、屋内用ドックや、構造物の3次元データ生成画像の自動撮影ソフトウェアなど、製品ラインナップは幅広い。ここに新しく加わったのが最新機種「Skydio X10」だ。

Skydio合同会社発表資料より引用
Skydio X10とコントローラー
機体下面前方にVisual SLAM(ビジュアルスラム)用の魚眼レンズが3つ
機体上面後部にもVisual SLAM(ビジュアルスラム)用の魚眼レンズが3つ

 注目は、「性能が向上した一方で、価格は2+とX2の間くらい。さまざまなアタッチメントを追加してカスタマイズも可能」という点だ。

「X10は、コンピューティング性能が従来機種と比べて10倍以上に向上し、障害物回避するVisual SLAMのアルゴリズム精度も、体感としては僅差ですが飛躍的に上がっています。バッテリー性能も、2+は27分、X2は35分だったのに対し、X10は40分と改善しました。また、用途に応じて2種類のセンサーパッケージから選択できます。さらに、X10は暗闇でも自律飛行を可能にするナイトセンスなど、オプションを複数用意しています。それらを複数搭載していくとX2よりも価格は高くなりますが、オプションを追加しないでミニマムな機能で使用すれば、価格は2+とX2の間となりますのでお求めやすくなっています」(柿島氏)

Skydio合同会社発表資料より引用
Skydio合同会社発表資料より引用
Skydio合同会社発表資料より引用

 モバイル通信にも対応予定で、2.4GHz帯のWi-FiとLTEを選んで使用できる。キャリアはパートナー企業から優先して対応を進めるという。

 ちなみに、「折り畳みは40秒」とのことで、実演してもらった。

機体を折り畳むところ
折り畳んだ機体と、前方の障害物を認識中のコントローラー
専用ボックス
フル充電のバッテリー
充電中
コントローラーの画面