陸空両用の空飛ぶクルマ「ASKA A5」を開発する米国のASKAは、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)と連携し、2025年3月27日に開業する「TAKANAWA GATEWAY CITY」において、ASKA A5の3分の1サイズの模型を展示する。また、ASKA A5の試作第1号機による実際の飛行・走行テストの映像を公開し、空飛ぶクルマを活用した新しい観光体験を提案する。

写真:ASKA A5のモックアップ外観、黒と黄緑色を基調としたボディ
ASKA A5のモックアップ

 ASKA A5は4人乗り(パイロット1名、乗客3名)の空飛ぶクルマで、6つのプロペラによる垂直離着陸機能と、小型飛行機のような前方飛行モードを備えている。翼を格納するとSUV程の車両となり走行することもできる。既存のインフラを活用し、充電や駐車が容易なため、最小限の設備投資で迅速な移動を実現する。観光用途だけではなく、災害時の緊急輸送や過疎地域の交通手段にも活用でき、地方創生にも役立つことが期待される。

 飛行航続距離は約400km、最高飛行速度は時速約240km。プラグインハイブリッド方式を採用しており、バッテリーとガソリンエンジン(レンジエクステンダー)を搭載し、飛行中に充電が可能。試作第一号機は米国連邦航空局(FAA)による特別耐空証明を取得済みで、500回以上の飛行テスト飛行を実施しており、垂直離着陸、空中停止飛行(ホバリング)の安定性を確認している。米国自動車管理局(DMV)よりナンバープレートを取得し、公道走行テストも実施中だ。

写真:飛行するASKA A5 試作第一号機
ホバリング中のASKA A5 試作第一号機
写真:他の車両と並んで信号待ちをするASKA A5
カリフォルニアの交差点で信号待ちをするASKA A5

 ASKAは現在、米国FAAの型式証明取得手続きを進めており、2028年の商用化を目指している。販売価格は78万9000ドル(約1億1800万円)で、すでに個人・企業・医療関係団体などから多数の予約を獲得している。

 今後、ASKAとJR東日本は、次世代のモビリティを活用した持続可能な都市開発や観光サービスの実現を目指すとしている。