写真:飛行するSULE

 2024年12月3日、米国のSwift Engineeringは、アメリカ航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターの協力により、高高度滞空型無人航空機「Swift Ultra Long Endurance」(以下、SULE)が、平均海面高度5万5,904フィート(約17km)において、24時間超(2024年9月29~30日)の滞空記録を達成したと発表した。前回の滞空高度記録2万5,000フィート(約7.6km)を2倍以上更新した。

写真:航空機倉庫

 Swift EngineeringはNASAより、2年間の継続研究予算を取得している。SULEは成層圏での滞空時間を48時間、7日間と段階的に引き上げる飛行実験を2025年に実施する予定だ。

 Swift EngineeringおよびSwift Xi 代表取締役会長・CEOの松下弘幸(ヒロ松下)氏は、「成層圏に関しては、まだまだ未知な分野が多くあります。しかし、HALE(高高度長期滞空型無人航空機)は人類のさらなる発展のために必ず必要な技術です。それを実現するためにさらなる挑戦を続けていきたいと考えています」と述べている。

写真:モニターを見つめるスタッフ

 SULEは高高度(高度約21km)・成層圏において長期間自律飛行するよう設計されている。基本スペックは、太陽光パネル搭載飛行翼が22m、機体重量82kg、ペイロード6.8kg。2つの技術特許を持つほか、NASAより耐空証明書(Airworthiness Certifications)(※1)、アメリカ連邦航空局(FAA)より商業空域における飛行許可証(FAA‘s Certificate of Authorization)を取得している。

※1 航空機の強度・構造・性能が安全性および環境保全のための技術上の基準に適合している証明

写真:機体とスタッフの集合写真