ACSLは、日本郵便と共同開発を進めている新型物流専用ドローン「ACSL式PF4-CAT3型」(以下、PF4-CAT3)について、2024年6月27日に第一種型式認証申請を行った。同社では2023年3月の第一種型式認証取得に続き、2例目の申請となる。

 型式認証とは、国土交通省が航空法に基づき、特定飛行に資することを目的とする型式の無人航空機の強度、構造および性能について、設計・製造過程が安全基準および均一性基準に適合するかを検査し、安全性と均一性を確保するための制度。

 同社は、2021年6月に、日本郵便・日本郵政キャピタルと資本業務提携契約を締結し、PF4-CAT3(これまでは「JP2」と呼称)の開発に取り組んできた。2024年3月には、兵庫県豊岡市においてレベル3.5(※1)での配送試行(実際の配送物を搭載した実証)を実施。さらなる耐候性能の向上と信頼性の向上も行い、第一種型式認証の申請が国土交通省航空局より受理された。

 PF4-CAT3は、ACSLの第一種型式認証機体である「ACSL式PF2-CAT3型」と比べ、搭載可能な荷物のサイズ・重量と航続可能距離の大幅な増加、社会受容性を意識した機体デザインに加え、レベル4(有人地帯における目視外飛行)の運航実績をもとに実際の物流オペレーションを考慮した設計・仕様となっている。

※1 レベル3.5:従来のレベル3(無人地帯における補助者なし目視外飛行)で必要とされる立入管理措置(補助者・看板の配置)を、デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有および保険への加入を条件として撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化する飛行方法。

図版:PF4-CAT3とPF2-CAT3の機体画像とスペック表
新・旧機体スペックの比較

ACSL代表取締役CEO 鷲谷聡之氏のコメント

 ACSLはこれまで、2018年の「レベル3」、2023年の「レベル4」及び「レベル3.5」飛行をはじめ、日本初となる様々な挑戦に機体を提供してまいりました。昨今「レベル3」相当の飛行に対応可能な機体も増加し、物流分野においても、2023年12月の「レベル3.5」の創設によって更にドローンの活用可能な環境が広がり、日本のドローン市場は新たなフェーズに移行しつつあります。

 一方で、無人地帯を前提とする「レベル3」相当と第三者上空飛行を前提とする「レベル4」では運航設計やオペレーション効率の面で大きな差が存在し、中山間地域等においても「レベル4」でなければドローンの活用が最適化されない場所が多数存在します。

 ACSLは、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」というミッションのもと、国産ドローンメーカーのリーディングカンパニーとして今後のPF4-CAT3の型式認証取得を通じ、物流分野でのドローンの社会実装の加速とわが国の「持続可能な物流」の実現に貢献してまいります。