徳吉薬局はNEXT MOTION、エアロセンスとともに、鳥取市の協力を得て、2023年11月28日、災害発生により孤立した集落を想定し、ウェアラブル端末を活用した遠隔医療の提供のため、ドローンによるデジタルデバイスと処方箋医薬品の空路輸送およびオンライン診療・服薬指導の実証実験を行った。この実験を契機に、ドローンやウェアラブル端末を活用した遠隔医療体制の構築の検討に入るとしている。
実証実験の内容
実証実験では、台風災害により陸路が寸断された鳥取市佐治町津野地区住民への専門医による診療と必要な医薬品の提供を想定し、鳥取市佐治町総合支所から津野地区公民館(ふれあいの館)に、ウェアラブル端末、通信機器をドローンで空輸した。今回実証実験を行った佐治町津野地区は2023年1月の大雪、8月の台風の2度に渡る災害により周辺幹線道路が寸断され孤立し、その状況下では医療提供が困難な状況にあった。
ドローンにより届けられた端末を使い、住民は生体データを計測。翌日同時刻を想定し、鳥取市内のクリニック、薬局とオンライン診療・服薬指導を実施した。
オンライン診療・服薬指導では、ウェアラブル端末からクリニックへオンラインで届いた生体データ(心拍・歩行・睡眠・心電図)を確認してアドバイスを行った。患者役の住民からのヒアリングも実施し、基礎疾患(持病)に対する薬の処方・服薬指導を実施した。
その後、再度ドローンにて処方箋医薬品の空路輸送を行い、患者役の住民は以前から服用している薬を途切れなく受け取ることができた。
今回の実証実験により、災害発生時等の孤立集落に対してウェアラブル端末やドローンを活用することにより、精度の高い遠隔医療の提供が可能となることが実証できた。今後、行政や関係団体と協議を行い、災害発生時の遠隔医療提供の体制作りや、ウェアラブル端末による生体データを活用した診療、中山間地域へのドローンによる医薬品配送の普及を図るとしている。