2023年5月22日、先端技術無人航空機トレーニングセンター(以下、AUTC)は、東京工業高等専門学校(以下、東京高専)および東京工芸大学(以下、工芸大)と連携し、両校にAUTC支部を発足することを発表した。学生および関係者向けにドローンに関する教育を行い、国家資格の取得を支援する。

東京高専ドローン研究会支部、実地講習・二等修了試験会場

AUTC東京高専ドローン研究会支部

 まず先行して、東京高専は「AUTC東京高専ドローン研究会支部」となり、AUTC認定教習機関(支部)として始動している。同校教員がAUTC認定インストラクターとなり、同校内において学生や関係者向けにドローンに関する教育を行うようになった経緯から、AUTC認定教育機関であるAUTC東京高専ドローン研究会支部として認定を受け、AUTCと連携して教育活動を実施している。

 同支部では、経験者の場合、技能資格取得に関わる関連法規や運用に関する座学、実地講習取得教習を、国指定試験機関での一発試験料よりも安価に受講することができる(基本+夜間・目視外解除)。同支部では経験者相当の知見を得られる内部講習を行っており、事前にその講習を受けることで経験者としての技能資格取得が可能になる。

AUTC東京工芸大学ドローン・サイエンス研究会支部

 工芸大は「AUTC東京工芸大学ドローン・サイエンス研究会支部」として支部登録を完了しており、2024年度よりドローンに関連する正規の授業科目を開始する。

東京工芸大ドローン・サイエンス研究会支部 運営メンバー

 工芸大は「時勢の必要に応ずべき写真術の実技家および研究家を養成し、併せて一般社会における写真術の向上発展を図る」という理念により設立された。

 同大学の創立から100年。ドローン技術が進展し、あらゆる視点から撮影が可能となった。多視点画像からの3D構築、いわゆるフォトグラメトリの技術と高い画像処理能力・グラフィックボードを有したPCとSfMソフトウェアによって、精密なデジタル3Dモデルも構築できるようになった。

 地上カメラからスタートした教育機関が、101年目からは空飛ぶカメラともいえるドローンの教育も取り入れていく。

SfM解析PC図(青い部分は計測飛行して撮影したカメラ画像位置)

 2024年度から正規の授業科目として2科目を配置する予定であり、この正規科目と同時進行で学内関係者の国家技能資格取得を推進するため、AUTC東京工芸大学ドローン・サイエンス研究会支部を登録した。支部長は正規に授業科目を担当する研究室の現役教授、もうひとりの講師は卒業生が担当する予定だ。
 教授の要望により、同教授研究室の学生を対象として2年ほど前からAUTC所長が大学内にて学生限定の民間認定ライセンスを開催しており、それが今回の支部につながっているという。

 AUTCは現在、工学系の国立・私立の高等教育機関のほか、ジャンルの異なる複数の高等教育機関との連携を開始している。人材育成費用に関して教育機関と連携して安価な学生価格を実現していき、要望があれば今後も、学生にドローンを浸透させたい新たな高等教育機関と正式連携していく方針だ。