2023年5月16日、あいおいニッセイ同和損害保険とZMPは、「自動運転ロボット専用保険プラン」の販売を同月より開始すると発表した。

 自動運転ロボットの固有リスクに対応する専用補償を新設することで、自動運転ロボットを活用する事業者や利用者の安全・安心の確保を図り、その普及促進を目指す。

 同プランは事故後の補償だけでなく事故の未然防止や事故後の影響を軽減するものであり、ロボット導入事業者に対するロボット運用パッケージとして、ZMPのロボット管理システム「ROBO-HI(ロボハイ)」と一体で提供する。

自動運転ロボット専用保険プラン

 ZMPの自動運転ロボットは、遠隔監視を行うロボット管理システムROBO-HIの使用契約と併せて販売する。同プランはロボット導入事業者を対象にROBO-HIの使用契約と併せて提案する。

1. 被害者救済費用特約(自動運転ロボット用)

 第三者による不正アクセスや契約の自動運転ロボットに存在した欠陥等により人身事故または物損事故が発生した場合で、導入事業者等の被保険者に法律上の損害賠償責任がなかったことが確定したときに、被害者に生じた損害について被保険者が負担した治療費や修理費などの実費を補償する。
 同特約により、遠隔操作型の自動運転ロボットによる事故が発生し、損害賠償責任の所在が不明な場合においても保険金支払いに向けた対応ができ、被害者救済の迅速化を図ることが可能となる。

2. 自動運転ロボット等特約(運搬費用等補償)

 自動運転ロボットの事故により、自動運転ロボットを回収し修理工場等まで運搬する費用や修理完了後にロボットの保管場所まで運搬するための費用を、保険金額の10%を限度に支払う。同特約により、修理可能な工場等の所在地に関わらず、全国各地への自動運転ロボットの導入展開を支援する。

開発の背景

 近年、インターネット通販等の拡大に伴う宅配需要の急増や、トラックドライバーの残業規制導入等により物流分野における人手不足の懸念が高まっている。また、過疎化や高齢化の進行に伴う交通弱者対策等の課題も顕在化している。

 自動運転ロボットはこうした課題を解決する手段として活用が期待されている。また、2023年4月の改正道路交通法の施行により、遠隔操作型の自動運転ロボットが歩道を含めた公道でサービス実装が可能となる等、今後のさらなる普及が見込まれている。

 一方、従来の道路交通法において自動運転ロボットは「原動機付自転車」等に区分され、実証実験の際には自動車保険により補償が提供されていたが、改正道路交通法の施行により歩行者と同等の交通ルールとなったため、新たな保険の組成が求められていた。