2022年7月19日、アイ・アール・システムは、ドローン搭載型のガス検知用カメラ「OGI640」によるガス漏れ箇所発見サービスの提供を、同月より開始したことを発表した。

 カーボンニュートラルへの各社の取り組みが活発化する中、プラントやパイプラインにおける、目視では確認できないガス漏れを上空からカメラで検知する最新技術への期待が高まっている。OGI640はメタンやプロパンなどの無色透明な可燃性ガスを可視化できるため、安全対策として大きな効果が期待される。

DJI社のMatrice300 RTKに「OGI640」を搭載した様子
プロパンガス可視化の様子(プロポ画面)

 これまでガスの検知は、固定設置型のセンサーやポータブル式のガス検知器を用いて行われてきたが、こうした方法ではセンサーや検知器にガスが接触しないと検知できないため、作業員が危険なガスが発生しているエリアに立ち入らざるを得なかったり、漏洩箇所の特定に時間がかかるといった課題があった。
 OGI640は、製鉄や石油、発電プラントで多く使用・製造されているメタンなどの炭化水素系ガスを検知できるため、危険なガスを事前に察知することや、ガスの漏洩箇所を容易に発見することが可能となる。

 同カメラはDJIのMatriceシリーズ向けにカスタマイズされており、Matriceのポートに接続することでドローンからの電源供給を受け、カメラ映像をドローンの映像伝送システムにのせて地上へ伝送することができる。

 同社は、2022年7月20日~22日に東京ビッグサイトで開催される「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2022」のプラントメンテナンスショーにおいて、実機の展示、実際に動作する様子を公開する予定だ。

DJI社製プロポにガスカメラ映像が映し出される様子(左)、「OGI640」本体(右)
ガス検知カメラ搭載ドローンからの撮影映像(プロポ画面)(株式会社アイ・アール・システム 赤外カメラ営業課 YouTubeチャンネル)

「OGI 640」製品概要

名称LinkedAll Products社製「OGI 640」
対応ドローンMatrice 300 RTKなど
検知可能ガスメタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素系ガス
サイズ幅71×奥行148×高さ73mm
重量約1,150g
画素数640×512
焦点距離25mm
検知波長3.2~3.42μm


▼「OGI 640」製品ページ
https://www.irsystem.com/product/ventus_ogi_for_uav/