2022年5月11日、DJIはMiniシリーズのハイエンドモデル「DJI Mini 3 Pro」を発表した。重量249g未満と軽量で、先代のMavic MiniやMini 2のように、コンパクトに折りたためるデザインを踏襲している。高度な飛行性能やカメラシステム、バッテリー駆動時間、インテリジェント機能に対応。30分以上の飛行が可能で、4K/60fps動画撮影、アクティブトラック、3方向障害物検知などの機能を備える。ジンバルは90°回転でき、SNS向けの縦向き映像も撮影可能だ。

 価格は、DJI Mini 3 Proの機体単体が9万2,400円(税込)。新送信機「DJI RC」同梱は11万9,900円(税込)、従来型の送信機「DJI RC-N1」同梱は10万6,700円(税込)。
 アクセサリーキット「DJI Mini 3 Pro Fly Moreキット Plus」は、インテリジェント フライトバッテリー Plus(47分)×2、2WAY充電ハブ×1、プロペラ(1組)×2、ショルダーバッグ×1同梱で、2万9,480円(税込)となる。

 DJI公式オンラインストアや認定ストア、正規販売代理店より予約注文が可能。発売日は5月20日予定している。

構造設計を刷新

 アームとプロペラを航空力学に基づいた設計にしたことで、より長い飛行時間を実現。フロント部分に前方と後方用のデュアルビジョンセンサーを搭載することで検知範囲を拡大し、飛行中の安全性を向上させた。ジンバルは可動範囲が広くなり、下から上を見上げるチルトアップアングルでの撮影や縦向き撮影が可能になった。

障害物検知機能

 前方・後方・下方ビジョンセンサーにより、3方向障害物検知に対応。前方と下方センサーは広いFOVを持ち検知範囲をシームレスにカバーできる。センサーには高度操縦支援システム(APAS)4.0が搭載され、障害物を検知して自動的に回避する。これらのセンサーにより、一連のフォーカストラック機能を利用することが可能。被写体を選択すると、ドローンは自動で被写体をフレームの中心に捉えたまま飛行する。また今後、内蔵リモートID機能への対応を予定している。

カメラシステム

 1/1.3インチCMOSカメラセンサーを搭載。従来シネマカメラなどで利用していた「デュアルネイティブISO」に対応している。絞り値はf/1.7、最大で48MP写真や4K/60fps動画の撮影が可能だ。ジンバルカメラは90°回転し、SNSへの投稿に適した縦向き撮影が行える。
 最大フレームレート30fpsのHDR動画撮影にも対応。カラープロファイルにはアプリ内で編集できる「ノーマル」、より高度な後編集ができる「D-Cinelike」の2つのモードがある。
 デジタルズームは、4K動画撮影では2倍、2.7Kは3倍、フルHDでは4倍。ピクセルサイズを2.4μmと大きくすることで細部まで鮮明に捉えることができ、特に低照度環境での撮影性能が向上している。

最大47分の駆動時間と伝送距離

 オプションの「インテリジェントフライトバッテリー plus」装着時は、最大47分の飛行が可能。O3伝送システムに対応し、最大12km(日本では8km)の距離から1080pのライブ映像を伝送することができる。

インテリジェント機能

 DJIのAirシリーズやMavicシリーズに搭載していたインテリジェント機能をMini 3 Proにも搭載した。

フォーカストラック関連
・Spotlight 2.0:手動で飛行させている間、カメラが被写体をフレーム内に捉え続ける。
・Point of Interest 3.0:被写体の周りを旋回しながら、設定された半径と速度で飛行。
・ActiveTrack 4.0:被写体をフォローする機能。トレース(一定距離離れた状態で被写体を追尾)、パラレル(被写体の側面から一定の角度と距離で被写体をトラッキングしながら飛行)の2種類。

クイックショット
・ドローニー:被写体をカメラの中心に捉えた状態で、機体が後方に離れながら上昇。
・ヘリックス:被写体周囲をらせん状に旋回しながら上昇。
・ロケット:カメラを下に向けた状態で上昇。
・サークル:被写体周囲を旋回。
・ブーメラン:楕円上に被写体周辺を旋回。被写体から離れるほど上昇し、戻りながら下降する。
・アステロイド:後方・上方に向かって飛行し、上空でスフィア(球体)パノラマを撮影。生成された動画は逆再生になる。

マスターショット :被写体をフレームの中央にとらえ続けながら、異なるパターンの飛行動作を順に実行し、シネマティックな短編動画を生成。

ハイパーラプス :設定された経路を飛行しながらタイムラプス映像を撮影。

新送信機「DJI RC」

 軽量で、5.5インチスクリーンを内蔵した送信機「DJI RC」。120msの超低遅延、最大動画ビットレート18Mbpsの伝送が可能。DJI RCは今後、他のドローンモデルにも対応予定。

アクセサリー(別売)

・DJI Mini 3 Pro インテリジェント フライトバッテリー:最大34分の飛行時間。
・DJI Mini 3 Pro インテリジェント フライトバッテリー Plus:最大47分の飛行時間。
・DJI Mini 3 Pro 2WAY充電ハブ:インテリジェントフライトバッテリーを順に充電。
・DJI Mini 3 Pro NDフィルターセット(ND16/64/256):日差しの強い照度環境下でも細部までクリアな映像を撮影可能。
・DJI Mini 3 Pro プロペラ:安全な飛行を確保する。
・DJI 30W USB-C充電器:インテリジェント フライトバッテリーを64分、インテリジェント フライトバッテリー Plusを101分で0%から100%まで充電可能。

▼DJI Mini 3 Pro
https://www.dji.com/jp/mini-3-pro