11月8日、SUBARU(以下スバル)、日本無線、日本アビオニクス、ACSL、マゼランシステムズジャパンは、ドローンによる自律的な衝突回避試験を相対速度200km/hで行い、成功したことを発表した。スバルらによると、世界初の事例だという。

 同試験は、9月9日から10日、福島県南相馬市の広域飛行空域で実施。10㎏クラスのドローンと有人ヘリコプターを、実運用速度域である相対速度200km/h(ドローン:50km/h、有人ヘリコプター:150km/h)で、それぞれの正面方向から接近させた。

 ドローンに搭載した各種センサーの探知データに基づき、衝突を回避する経路をリアルタイムで生成し、この回避経路に沿ってドローンが自律回避飛行することを確認。有人ヘリコプターを回避した後、ドローンは元の飛行経路に復帰した。

 なお同試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)/無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発/単独長距離飛行を実現する運航管理機能の開発(離島対応)」の一環として実施したものである。

 ドローンや中型の無人航空機は既に農業分野を中心に活用が広がり、災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどの用途への期待から運用数は増加している。しかし、ドローンとドクターヘリなど有人航空機のニアミス実例が報告されるなど、衝突回避技術は安全利用のための喫緊の課題となっている。また、衝突回避技術は、ドローン実用化に必要となる、目視外飛行や第三者上空飛行の実現に欠かせない技術である。

 今後5社は、同成果を活用して衝突回避システムを確立し、ドローンの社会実装を推進するとしている。