2021年3月19日、自律制御システム研究所(以下ACSL)とエアロネクストは、4D GRAVITYを搭載した物流用ドローンの試作機を発表した。機体の最大離陸重量は25kg、標準ペイロードは5kg。また、ACCESSとの3社協業により物流用ドローン向けソフトウェアの開発を行う。

 4D GRAVITYとは、機体重心を最適化することで飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数を均一化して、安定性・効率性・機動性といったドローンの基本性能を向上させるエアロネクストの機体構造設計技術である。
 ACSLとエアロネクストは、2020年8月に4D GRAVITY搭載の産業用ドローンの共同開発契約と、開発機体の製造・販売に関する4D GRAVITY特許群のライセンス契約を締結。2022年度の「空の産業革命レベル4(※1)」を目指し共同開発を進めており、これは量産に向けた試作機となる。

 3社は今後、本格的な量産に向けて試作機の実証検証を重ね、共同していち早い社会実装を目指すとしている。

共同開発した物流用ドローンの最新試作機

※1 2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会「空の産業革命に向けたロードマップ2020」にある、2022年度を目標とした「有人地帯での補助者なし目視外飛行」の実現フェーズ。

機体の特徴

1. ハードウェア:機体構造

 従来の物流用ドローンは、空撮用途等に使われる汎用機のペイロードを荷物に置き換えた形態が主流だが、4D GRAVITY搭載の物流専用機体は、以下3つの特徴で飛行速度・飛行距離・配送可能重量・配送品質を向上させる。

荷物を機体の理想重心付近に最適配置
水平定常飛行・前進特化型の物流専用機体
独立変位可能な荷物水平維持機構

最新試作機の荷物部分

2. ソフトウェア:物流用ドローン向けのソフトウェア

 以下の特徴を有する、物流用ドローン向けソフトウェアを開発する。

物流用ドローンにおけるレベル4対応
天候等、配送ルートの状況による最適配送ルートプランニング
物流管理システムとの連携