2020年9月23日、ヘキサメディアは、令和元年8月より、気象庁地震火山部火山課が行う火山活動の推移確認のため、無人航空機(以下ドローン)を用いて火山調査を行ったことを発表した。この調査は、可視画像(静止画、動画)と熱赤外画像(静止画)を取得し、火口内およびその周辺の火山の噴出の状態や地熱域の状況を把握することを目的としたものである。

口永良部島火山調査風景

調査対象火山

・草津白根山
・阿蘇山
・霧島山新燃岳
・口永良部島新岳

草津白根山 オルソ画像

ドローン調査の実施内容

 気象庁より業務委託された今回の火山調査では、立入禁止エリア外から調査を行った。特に、赤外線カメラを用いた火山噴火口直上からの撮影は必須課題であり、最大高度1,200m、最大距離4kmの飛行を実施した。火口の裏側は電波状況により撮影が極めて困難である。また、熱赤外線の撮影には太陽光の影響による地熱の上昇を考慮しなければならないため、夜間を中心に調査を行った。

 火山や地形の特徴や天候から、自動航行ソフトの特性や調査で必要な高度や距離のシミュレーション、飛行行程と高度によるバッテリーマネージメントに注力したという。許可申請関連では、国土交通省航空局、各火山の管轄空港事務所その他関係各所に申請・調整を行い、調査時に空港事務所と調整をしながら実施した。

福岡管区気象台 地域火山監視・警報センター「阿蘇山の火山活動解説資料(令和元年10月)」より
ドローンによる火山調査風景

 今回の調査では、天候の変化により臨機応変な対応を求められたものの、事前のシミュレーションなどにより、事故なく安全に終了することができた。同社は今年度も別案件の火山調査を実施する予定であり、過去に実施した西之島調査や浅間山降灰調査等の経験を生かして、防災のための調査に貢献していく、としている。