国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2018年1月11日、富士通、日本電気、イクシスリサーチ、エンルート、プロドローンとともに、橋梁点検のための無人航空機(ドローン)の性能評価基準策定に向けた飛行試験を千葉県東金市で実施したと発表した。

橋梁などの社会インフラの老朽化が進み、少子高齢化による人材不足が深刻化する中、インフラ点検支援ロボットの技術開発が活発に実施されている。こうした背景のもと、NEDOは、橋梁点検に使用するドローンの性能評価基準の開発に取り組んでいる。

今回の飛行試験は、エンルートが開設したドローンフィールド東金の中に設置した模擬橋梁実験施設を用いて、2017年10月16日から順次実施された。ドローンによる高橋脚上部や床板の近接画像撮影、高橋脚の打音検査などの橋梁点検プロセスを再現するとともに、送風設備を用いて、安全な運用を阻害する風などの外乱を考慮した試験環境の妥当性の検証も行った。これにより、性能評価基準策定に必要となる各種データを取得することができたという。

実証実験の全体像

NEDOは、今後も性能評価基準の策定に貢献すべく準備を進めていくとともに、社会インフラの維持管理・更新のためのロボット関連市場の創出にも寄与するとしている。また、2017年11月22日にNEDOと福島県が締結した「福島ロボットテストフィールドを活用したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定」の取り組みの一環として、性能評価基準に基づく試験が「福島ロボットテストフィールド」にて実施できるよう、本試験から得られた知見を福島県へ提供していくという。

福島ロボットテストフィールド 試験用橋梁 完成予想図