無人ヘリや4足歩行ロボットも展示―未来の災害対応技術に注目
川崎重工業は「災害時のはたらく乗り物・体験」をコンセプトに、無人ヘリコプターやドクターヘリ、オフロード仕様のモビリティなどを展示。なかでも注目されたのが「K-RACER」という無人ヘリで、最大200kgの重量物を100km離れた場所まで1時間弱で輸送することができる。
大坂・関西万博に展示され、未来のモビリティとして話題となっている、四足歩行型ロボット「CORLEO」も映像で紹介されていた。日常的に活用するだけでなく、災害現場での救助や移動などでの活用が期待されている。
JR西日本グループは、実用化されている鉄道設備メンテナンスロボット「人機一体」を展示。人型のアームを持つこの大型ロボットは、高所での重作業支援にとどまらず、将来的には災害現場での活用も視野に入れられている。ロボットの制御は、作業員の腕の動きをロボットに伝達し、正確に作業員と同じ動作を行うことができる。
災害現場で活躍するロボットを操作体験
KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)では、緊急時に活躍する各種ロボットの紹介と操作体験が行われた。
神戸市では毎年「レスキューロボットコンテスト」が開催されており、がれきに覆われたフィールドで人形を救出する競技が行われる。会場ではその再現コーナーも用意され、子どもたちがスタッフのサポートを受けながらロボット操作を楽しんでいた。
神戸大学は、遠隔操作によるロボットアームとハンドの操作体験を紹介。過酷環境下での危険物除去を想定した体験が可能だった。大阪工業大学は、狭い場所や倒壊建物内で活躍するヘビ型ロボットを展示していた。
中でも最も人気を集めたのは、川崎重工のヒューマノイドロボット「Kaleido」による消火体験。リモート操作で火を消すゲーム形式で、子どもでも簡単にクリアできる操作性とレスポンスの良さが注目された。
重機シミュレータや防災生活術の紹介も
兵庫県解体工事業協会による重機シミュレータ「K-DIVE」の体験コーナーも大人気だった。実際のコックピットを模した本格的な装置で、金属スクラップをダンプに積み込む操作を大人も子どもも楽しんでいた。
また、最新テクノロジーだけでなく、身近な素材を用いた防災生活術も紹介された。アルミホイルやプチプチ、段ボールなどの活用術は、いざという時に役立つ情報として多くの人々が足を止めていた。
阪神・淡路大震災から30年が経過した今、神戸市は技術と知恵を融合させた災害対策の情報発信に力を入れており、多世代にとって学びの多いイベントとなった。
