遠隔自律飛行デモで運航管理システムを体験

ドローンポート「NEST」を備えた、CIRC製自動飛行ドローン「G6.0」。

 遠隔での自動離発着、自動充電が可能なドローンポート「NEST」を備えた、自動飛行ドローン「G6.0」も4G LTE パッケージ対応機種のひとつで、設備の点検や遠隔監視などへの活用が期待されている。

 ブースでは、幕張メッセの会場から栃木県小山市を結び、スマートドローンの遠隔自律飛行のデモを実施していた。デモの時間は決まっているのではなく随時運航が可能だという。運航管理システム端末画面の「フライト開始」を押すと、LTE通信でつながっている小山市のドローンに指示が伝わり、ポートが開いてドローンが離陸する。飛行ルートはプログラム通りでなくとも変更が可能で、気になるところがあれば遠隔から操作し確認できる。

KDDIが開発した運航管理システム。ドローンポートが開いた状態のタブレット端末画面。映像の解像度、ビットレート、フレームレートなども遠隔で設定可能。飛行中の姿勢や現地の気象情報も表示できる。
離陸時の画面。右下の飛行ルートに沿って飛行開始。リアルタイムで映像が配信される。
カメラの角度も遠隔で操作可能。左下の白黒画面は赤外線カメラ。人のようなものを確認するため、飛行ルート変更の指示を送る。確認後、飛行を再開すると予定されていた7番のポイントに自動で向かう。

 フライト終了時にはポートが自動で開き、機体が着陸し格納される。デモではKDDIの小山ネットワークセンターとつないでいたため、現地と連絡を取りながら実施していたが、将来的には無人での運用を目指す。技術と法制度においても私有地内であれば人的作業は必要なく、自律飛行が可能だという。

 KDDIスマートドローンの展示で特徴的だったのは、物流、測量、点検、監視など幅広い領域で最新のサービスを展示するだけでなく、これまで培ってきたノウハウを生かし、ドローン機体と運用管理システムを組み合わせることにより現場のニーズに合わせたパッケージとして提案している点だ。ブースの入り口に「叶えるために、飛ぶ。」というコンセプトが掲げられていたが、総合的な「人」を大切にしたサービスデザインを行っているのが印象的だった。ドローンのような新しいサービスは、顕在化していないニーズや可能性を新しい技術とともに探求していくことが重要になる。レベル4に向けた同社の取り組みに引き続き注目していきたい。