エクセディが開発中のドローン用モーターとプロペラ。

 自動車の駆動系部品の製造開発を行うエクセディは、国内製造のドローン用モーター、プロペラ、スピードコントローラー(ESC)の3つを新たに開発し、Japan Drone 2022へ参考出品した。

 エクセディは、2011年頃から自動車のハイブリッドエンジンなどに使用するモーターの開発を開始。このノウハウを活かし、急速な市場の成長が見込めるドローンのモーター開発に着手したという。

ベンチマークにしている中国製品と同等のサイズにしたESC。

 開発製品の最大の特長は、純国産品でモーター、プロペラ、ESCの3点を揃えることができることだ。現在、ドローンのモーターは中国製品が主流となっているが、エクセディはこれをベンチマークとして開発に取り組んでいる。これについて担当者は「近年の中国製モーターは性能が高く、採用しているメーカーも多い。しかし、納期に時間がかかったり、在庫の数が揃わないといったことが多々ある。国内で製造しているエクセディであれば、そのような流通面の課題を解決することができる」と話す。

 開発するモーターは高性能な中国製品をベンチマークとしており、出力などは同等レベルとしている。ただし、単純に同等の性能を有した国産モーターというわけではなく、ユーザーニーズの高かった軽量なモーターの開発に同社は注力している。使用されるアルミ部品を主に軽くすることでモーター、プロペラ、ESCの3点でベンチマークにしている製品より15%の軽量化に成功した。

 モーターはメッシュを採用して放熱性を高めている。防塵・防水規格のIP45を取得しており、水などが入ってしまっても漏電等の心配はいらないという。また、農薬散布機などで農薬が入ってしまった場合は水洗いする程度でメンテナンスは可能だ。

 同社は3点セットで揃えることを推奨しているが、取り付けは他社の製品とも組み合わせられる形状にしており、プロペラとモーターは汎用性も高い。なお、ESCはソフトウェアでモーターとの調整が必要なため、セット販売となる。同社は今年度中の販売開始に向けて開発を進めている。