サーボモーターやRC関連商品などを扱うHitec Multiplex Japan, Inc.(以下:ハイテック)は、Japan Drone 2021で日本初披露した固定翼型マッピングドローン「XENO FX」とプロフェッショナルマルチコプター「ENDURANCE」の2機種と、それに付随するオプション製品を展示した。

機体の材質に高強度素材「Elapor」フォーム採用、最大60分間の飛行が可能

機体の材質に高強度素材Elapor(エラパー)フォームを採用したXENO FX。重量は約1.1kgと超軽量。運搬時にはウイングを折りたたんでコンパクトに収納できる。基本セットの価格は141万9,000円(税込)。

 XENO FXの特長はボディーにあしらわれた素材だ。発泡スチロールにように見えるが、高強度、高い耐久性、軽量といった性質を持つElapor(エラパー)フォームを採用している。着陸時の衝撃に耐えられるのか心配になるが、担当者によると「強度、耐久力があり、また柔軟性も高いので、長時間使用してもひび割れなどの心配はない」という。また、Elaporフォームを採用したことで、機体重量も約1.1kgとかなり軽量化されている。この軽さが1フライト、最大60分間という長時間飛行を実現した。

フライトプランはアプリ「MISSION CONTROL」で完了。写真は、ウェイポイントを設定している画面。8インチ32GBクアッドコアタブレットは基本セットに含まれる。

 完全自律を前提とした機体だが、フライトプランはアプリ「MISSION CONTROL(ミッションコントロール)」でたったの4ステップで設定できる。タブレットで簡単に設定できるので、現場到着からすぐさまターゲットエリアの飛行が可能となる。飛行中はリアルタイムで監視できるので、障害物があった場合には手動操縦で避けることができる。

カメラは機体底面にはめ込むだけ。簡単に取り外し可能だ。搭載カメラはMAPIR SURVEY3 W/N(それぞれ11万円(税込))、ダブルセンサーカメラのSENTERA DOUBLE 4K(83万4,900円(税込))の3種類。
オプションのスピーカーモジュール。上空から各種サウンドを拡声できるので、災害時の緊急拡声や海岸線沿いの遊泳注意、禁止警報などへの利用や、動物の苦手な音を収録し上空で流すことによって、空港でのバードストライク対策、鳥獣害対策にも活用できる。価格は12万1,000円(税込)。

 現在、搭載可能なセンサーカメラは3種類で、農業観測、調査、測量、広域空撮、動画撮影など用途にあわせて最適なカメラを選択できる。また、音声を拡声できるスピーカーモジュールもあり、空港でのバードストライク対策、鳥獣の追いはらいなどのほか、災害時などでの緊急拡声飛行などに利用できる。
 離陸方法は紙飛行機のように手投げする。手投げした後にプロペラが回転を開始し、飛行を始めるので離陸時に怪我の心配も少ない。
 手軽に飛ばすことができるのに、業務用の機能を持つのがXENO FX。軽くてコンパクトなので持ち運びが容易、セッティングも簡単、フライトは自律飛行と、マルチコプターにはない手軽さで運用できるのは魅力的だ。

カメラ搭載で最大40分間のフライトが可能な観測監視用マルチコプター「ENDURANCE」

大容量バッテリー搭載で40分間の飛行が可能なENDURANCE。アームとプロペラを伸ばした状態で全幅が725mm。標準カメラ搭載時でも約3170gと軽量だ。強風に強く、タフな環境下でも運用可能。ベースセット ENDURANCE プレミアム(カメラ別)で176万円(税込)、PPKセット ENDURANCE プレッション(PPK装備 SONY α6000付属)で281万6,000円(税込)。
標準カメラは4種類。用途にあわせて選択できる。

 もう1つ展示されていたのが、マルチコプターのENDURANCE。強固な軽量フレームに搭載した大容量バッテリー(90000mAh)により、カメラを搭載した状態でも最大40分の飛行を可能にした(航続距離16km)。標準カメラは、ソニーのα6000、QX-30、UMC R10C UAV、熱画像機器に定評のあるFLIRのVUE PRO R(サーマルカメラ)の4種類。カメラはワンタッチで交換が可能なので、現場でも短時間で付け換えて、すぐさまフライトすることができる。また、耐風性が高いのでタフな環境下でも安定した運用が可能だ。

機体に付属する8インチタブレットがセットされたグランドコントロールステーション。128Bit暗号通信、各拡張ポート装備、HDMI出力で外部大型モニターにストリーミング画像を表示できる。

 フライトプランの設定はタブレット一体型のグランドコントロールステーションで、XENO FXと同様にアプリ「MISSION CONTROL」で簡単に行える。ユーザーは自律飛行モードと手動飛行モードをシームレスに切り替えることができる。
 ENDURANCEは1フライトで長時間飛行できるので、大規模な太陽光パネル検査や河川や災害現場の調査・監視など、遭難者の捜索、鳥獣害の監視、ライブストリーミングで警護監視など、広域なエリアでの運用に強みを発揮しそうだ。