ドローンにおけるモーターの役割

 ドローンの中に組み込まれているモーターは、モーター自身の回転数を制御しローターの回転数を調整することでドローンの飛行をコントロールする役割を担う。

 モーター自体の回転数はESC(エレクトロニックスピードコントローラー)によって制御されており、ESCがモーターに掛ける電圧を調整することでモーターの回転速度を制御している。

(出所:資料をもとにせりぽよが図表を制作)

ブラシモーターとブラシレスモーターの違い

(出所:資料をもとにせりぽよが図表を制作)

 ドローンに使用されるモーターは、ブラシモーターとブラシレスモーターの2種類がある。

 ブラシモーターはESCから電圧をかけるとすぐ回転するシンプルな構造を利点として活用されており、低価格帯のトイドローンなどに使用されることが多い。しかし、ブラシモーターは放熱性や流せる電流量に難があり、加えて定期的にモーター内を掃除する必要がある。

 この難点を解消し、近年多くのドローンで使用されているのが「ブラシレスモーター」だ。

 ブラシモーターはブラシの接触回数が多く劣化しやすいのが難点であったが、ブラシレスモーターは電流が流れるコイル自体を固定している。そのため、機械的な接触が少なくモーター内部が掃除しやすいほか、ブラシ交換が不要のため扱いやすい。

(出所:資料をもとにせりぽよが図表を制作)

 また、ブラシレスモーターはコイルが回転するのではなくマグネットが搭載されたローターが回転する。上記のイメージ図では、ピンク色の部分は回転せず、緑色に塗りつぶされている部分が回転する。

 ブラシモーターはコイルとマグネット・ケースの間に隙間があることで放熱性に課題があったが、ブラシレスモーターは熱源となるコイルが外側に配置されているため放熱性に優れているのが大きな特徴だ。これらの違いによりブラシレスモーターはより多くの電流を流せるハイパワーなモーターとして利用されている。

ブラシレスモーターの特徴

1. 機械的接触が少ない:電気が流れるコイルを固定し、磁石の付いた回転子を回すため、機械的な接触が少ない。
2. メンテナンスが容易:モーター内部の清掃やブラシの交換が不要で、メンテナンスが容易。
3. 小型化可能:ステーターに磁石がないため、小型化が可能。
4. 滑らかな動き:ローターに接触部がないため、滑らかな動きを実現可能。
5. ESC(コントローラー)が必要:コイルに流す電流を細かく制御するためにESC(エレクトロニックスピードコントローラー)が必要。
6. 静音性と長寿命:ブラシレスモーターは静音で長寿命。
7. ジンバルのモーターにも採用:ジンバルなどの精密な動きが求められる装置にも採用されている。