ドローンにおける型式認証とは、ドローンの各機種(型式)の性能において、国が定める安全基準を満たしているかどうかを確認し、国が認証することでドローン飛行時の安全性を確保する制度だ。ただし、型式認証を取得していないドローンの飛行を禁止するものではなく、非認証機体は飛行申請を行うことで一部エリアでの飛行が行える。

 ドローン及び無人航空機の型式認証制度は航空法の改正により、2022年12月5日に施行された。

 型式認証はドローンメーカーが国に申請し、認証を取得する。認証されたドローンは、国の安全基準を担保していることとなり、リスクの高い一部エリアでの飛行や、飛行申請の省略が可能となる。

ドローンにおける型式認証制度とは

 型式認証制度自体は、ドローンに限らず、車や飛行機などの製品にも適用されている。

 型式認証制度は対象の型式製品が安全基準に適応しているかを確認しており、認証された製品は一定の安全性を担保していると国から保証されていることになる。

 ドローンの認証制度は、型式認証と機体認証の2つに区分される。型式認証は型式(機種)ごとの検査であるのに対し、機体認証は各所有者が保有している機体を一機ごとに検査を行う。型式認証は、ドローンメーカーが認証を受けることで販売するすべての同機体が認証機体と認められる。機体認証は個人や法人などが個々に申請するものであり、個々のドローンを認証する仕組みだ。

 型式認証は第一種と第二種が用意されており、第一種はカテゴリーⅢ飛行に対応した安全性を担保している機体が認定される。第二種はカテゴリーⅡ飛行のような立ち入り管理措置を講じた特定飛行を実施する機体としての安全基準を検査され、第一種・第二種ともに有効期間は3年間だ。

 なお、カテゴリーⅢ飛行を行うためには第一種機体認証の取得及び一等無人航空機操縦士の資格所有が必須であるが、第二種機体認証は、カテゴリーⅡの飛行申請が省略されるものであり、取得しなければカテゴリーⅡ飛行が行えないものではない。

型式認証機を使用するメリット

(出所:資料をもとにせりぽよが図表を制作)

 例えば、車の型式認証であれば、品質保持のために衝突テストの結果や排ガスの基準、ブレーキの性能などを点検している。ドローンの型式認証でも同様に、飛行の安定性や電波干渉の耐性、故障時のリスク管理などに関する点検を行う。

 これらの点検により、操作ミスやシステム故障による事故を防止し、安全な飛行を担保できるようになるため、事故発生リスクの低減に繋がりやすくなる。