夜間飛行とは、気象台が定める日没後から日の出までの間に無人航空機を飛行させること。改正航空法(2015年12月〜)では、日中に飛行させることを飛行方法のルールとしており、それ以外の時間帯の飛行には夜間飛行として国土交通省に飛行許可・承認申請をして承認を得る必要がある。もちろん、日の出や日没の時刻は場所によって変わるため、各地方気象台発表の飛行させる地域の日の出・日没時刻が基準となる。
夜間飛行では、機体の姿勢や向きがわかりにくくなるため、機体前後のLED等の灯火の位置や向きで機体の状態を確認しながら飛行させる必要がある。また、飛行高度と同じ距離の半径に第三者が入らない状況で飛行させる、離発着場所に十分な照明を確保する、などの安全対策も必要である。(「航空局標準マニュアル01 」より)
夜間飛行時の注意点
夜間飛行は、ドローンの機体位置を目視で捉えるのが難しくなり、機体の向きや高度が分かりづらくなる。機体のLED灯火が目印にはなるが、光は小さく点となるため距離感が掴みづらい。また、機体からの映像伝送を見ても周囲が暗いために情報量が少なく、現在地や向きを見失うことも多い。そのため、機体の灯火色(前方が赤×2個、後方が緑×2個など)の位置関係から向きを把握したり、プロポモニター上の地図表示や高度、距離などのテレメトリ情報から機体位置を確認するなど、計器飛行の技能が重要となる。
夜間飛行を実施する前に日中の明るいうちに飛行予定場所・経路の調査をしておく必要がある。調査が不十分であったり、調査していないエリアを飛行させたりすると、夜間では視認できないワイヤーや電線、枯れ木の枝などにドローンが衝突するリスクがある。夜間の暗い環境下ではビジュアルセンサー類は機能せず、障害物検知ができない。同じ理由から下方ポジショニングカメラによる位置情報検知ができないことにも注意したい。
飛行申請
夜間飛行のみの包括申請は可能であるが、人口集中地区における夜間飛行や夜間における目視外飛行は、飛行経路または飛行範囲の特定をした上で個別の飛行許可・承認申請が必要となる。